Twitterはガンジス側であり、毎日ウンコから死体まで様々なものが流れてくる。
様々の範囲が意外と狭いような気がするが「様々な汚いものが流れてくる」という思っておけば間違いない。
しかし氾濫しやすいのもTwitter川の特徴であり、せっかく色とりどりの汚物が流れてきていたのに、それを一つの濁流が全部飲み込んでしまうという現象が頻繁に起こる。
先日アカデミー賞が発表され、私はその時偶然ではなく必然としてTwitterを見ていた。
そして一瞬日本のドライブマイカーがアカデミー賞を受賞したというニュースがトピックに現れた。
しかし、次の瞬間トピックはウィルスミスが誰かをぶん殴ったというニュースに入れ替わり、以後ずっとその話題しか表示されなくなった。
俺じゃなかったらドライブマイカーが受賞したことを見逃しちゃうね、というほどではなかったが、一瞬でスミス一色になってしまったのは本当である。
下手をすればスミスが誰かをぶん殴ったのは知っていてもドライブマイカーが受賞した、ということは未だに知らないという人もいるのではないだろうか。
そういう私もスミスが誰かをぶん殴ったことは知っているが、スミスがなんの映画で受賞したのかは知らない、そもそも受賞したのかすらわからないのだが、用もないのにそこにいた訳ではないだろう。
だが、Twitterではスミスが誰かを殴ったことのみを見出しにしていたため「何の映画に出ていた何スミスが誰をどうして殴ったのか」詳細を知ろうとする人以外には殴った以外のことは伝わらない仕様と化していた。
確かにドライブマイカー受賞の話は、見た人や映画ファンの人以外は「良かったね」「今度見てみようかな」「(多分見ない)」ぐらいしか言えることがない。
対して、スミスの方は、授賞式で暴力という時点で衝撃的であり、衝撃的なだけでなく、それが起こった理由も非常に議論の余地があり、スミスが出た映画の感想は言えなくても、スミスが誰かを殴ったことについての感想は各々言える、むしろ言いたいという感じだったのだ。
決して衝撃的なだけで、くだらないニュースという訳ではないのだが、その場にいて流れビンタを食らったなど、直接関係があるという人は少数派のはずである。
問題は、Twitterや他のニュースが濁流に飲み込まれている時、もっと自分に関係のあるニュースも飲まれて見えなくなっている恐れがある、ということだ。
「当人とその家族以外誰も関係ない」でお馴染みな不倫ニュースをトップに持ってきてしまう我が国である、メディアが報じるニュースというのは必ずしも重要度、見る人との関連度と比例していない。
つまり自分に関係がある、ニュースや情報は意識して探さないと、永遠に他人が他人と不倫したという情報しか得られず、肝心なことは知らない、ということになる。
ちなみにスミスが受賞した映画は「ドリームプラン」だそうだ。
次回は4月19日更新です。
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