梅雨が想像以上に巻きで収録を終えてしまい、まだ楽屋でロケ弁食いかけの夏もさぞ困惑したであろうが、それでも例年以上のテンションと気温で出てきてくれた夏のプロ根性には恐れいる。
ともかく夏本番、そして夏野菜の美味しい季節である。
私は365日中300日はレトルトのパスタしか食わないのであまり関係ないのだが、逆に言えば週一程度パスタ以外を食っており、同居家族は週7でパスタ以外を食っているので料理は毎日やっている。
ちなみに私の言う「料理」とは「ホットクックに内蓋を取り付ける作業」のことだ。
料理はホットクックがやってくれるのだが、内蓋の取り付け、そして材料の調達はこちらで行わなければならない。
我が家は家人の仕事上、野菜をもらうことがある。
大変ありがたいことだが、当然こちらでもらう野菜をチョイスすることはできず、冷蔵庫が「ブロッコリーと、ブロッコリーとブロッコリーがかぶってしまったな」という買い物が下手すぎる井之頭五郎状態になってしまうこともしばしばだ。
今年は「白菜大2玉」という、この時点で中年二人家庭(内一人はパスタしか食わない)であることを想定していないお野菜(合法)を手押しでいただいた。
さらに2玉とも、アブラムシとナメクジさんたちが温かな家庭を築いており、一足早く納涼させていただいた。
たまにこういう粋なアクシデントもあるが、基本的にお野菜(リーガル)をもらえるのは大変助かる。
夏はナスやトマトなどの夏野菜をいただくことが多い。
ナスの「煮るなり焼くなり好きにしろ」という漢らしい姿勢には、毎日献立を考えなければいけない、主婦または主夫層が毎年ビショビショになっているだろうし、トマトの「とりあえず俺を切って出して1品ということにしていいんだぜ」という優しさに失神したことがある人も多いだろう。
これらは両方いくらもらっても困らないのだが、個人的に困るのがきゅうりである。
トマトは大量にもらっても煮ることでソース的なものにできるのだが、きゅうりは基本生食であり、そこまで用途が幅広くなく、大量に消費するものではないような気がする。
「体の穴という穴にきゅうりを刺して踊りくるう神聖な儀式を知らんのか」と思われるかもしれないが、それ以前に私が「きゅうりの青臭さが苦手」という問題があり、穴という穴に刺すのも若干抵抗があるのだ。
そこで参考にしたのが我らがTwitterの「バズレシピ」である、バズレシピとはSNSでバズっているレシピのことである。
ちょうどきゅうりのバズレシピが流れてきたので「これで勝つる」と思い作ってみることにした。
食べてみた感想としては「俺があまり好きではない、いつものきゅうり」である。
このレシピが悪い訳ではない。
ただ「バズレシピ」というものに対し、我々が期待過剰になってしまいがちなのは否めない。
バズレシピというのは万RTされていることも珍しくないので、この時点で期待値がかなり上がってしまうし、140字で関心を持たせないといけないという特性上、文言がオーバーになりがちである。
「究極」「至高」など美味しんぼでしか見たことがない言葉が出てくるのは日常茶飯事であり時には「悪魔のきゅうり」など、一周回って食ったらヤバそうなタイトルがついていることもある。
そこまで言われると、こちらも、苦手だったきゅうりが大好物になるレベルに違いないと思ってしまうが、嫌いなものが好物に転じるというのはもはやレシピの一行目が「まずきゅうりを冷蔵庫に戻し、代わりに豚肉を出します」ぐらい斬新でなければなかなか起こらない。
そのぐらい期待してしまうと、そこそこ美味くても「期待はずれ」になってしまい、逆に損である。
「バズレシピは期待しすぎずに作る」というのがバズレシピを美味しく作るコツと言ってもいい。
次回は7月26日更新です。
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