インターネットが出来てから我々は世界中の人間と繋がることが可能になった。
そこから「繋がろう!」という機運が高まり「絆」と書かれたリストバンドの発注がやたら増えたりしたのだが、あまりにも繋がりすぎたせいか、最近は「繋がらない権利」を認める国も増えてきているらしい。
だが「繋がらない権利」というのは「みんなでライン交換しよ!」と言いだした奴が「だがてめえとは交換しない」と、個別拒否できる権利のことではなく「業務時間外の仕事の電話やメールに対応しない権利」のことである。
「業務時間外では仕事しない」というのは「寝てる間は目を開けない」レベルの自然現象だと思うのだが、これを権利として主張しなければいけないレベルで現代人は白目のまま寝るような生活を強いられているということだ。
確かに携帯電話の普及により、休日中でも仕事の連絡が来る頻度は格段に上がったと思われる。
私が社会人になる頃には携帯は普及しきっていたので定かではないが、それ以前は休みの社員に聞きたいことがあったら家電にかけて、お母さんに取り次いでもらったりしていたのだろうか。
それに比べれば現在は、休日の社員に連絡をとるハードルが下がりすぎてしまっている、電話までは憚られてもメールぐらいなら平気で送ってしまっているだろう。
しかし、受け取る側からすれば休日中に来る仕事メールというのは上等な料理にぶちまけられたゲロである。
このように休日中でも仕事と完全に切れることができなくなったというのは「繋がれる社会」の弊害であり、それをなくすために今度は「繋がらない権利」の方が必要になったということである。
それと同じ理屈で最近提唱されているのが「デジタルデトックス」である。
デジタル機器のおかげで我々の生活は便利になったが、それが行きすぎて、ネット依存、スマホ依存など、逆に生活がままならなくなる人間が増えたため、生活からデジタル機器を廃す健康法のことだ。
デトックスなどとしゃらくさい言い方をしているが、自分からジャブジャブ体に入れておいて、突然「なんだお前は出てけ!」と言い出す、デジタル側からは釈然としない行為である。
デジタル機器を廃すと言っても、いきなりデジタル機器を全て斧で破壊し、奥多摩に籠もるなど極端なことをする必要はないし、そんなことをしたら人によってはショック死する。
デジタル機器から離れる時間を設けるのがデジタルデトックスであり、最近はそうしているという有名人も多く、調べてみるとローランドさんもやっているらしい。
ローランドさんのことは詳しく存じ上げないのだが、自分とは対極にいる意識の高い人で自分がマナのことを考えている時ローランドさんはカナのことを考えているという印象だった。
意外にもローランドさんもスマホをいじっている時間が長く、ある日スクリーンタイムで自分が1日何時間スマホを触っているか見たところ、かなり長時間だったため、生活を改めるべくデジタルデトックスを始めたという。
ローランドさんがショックを受けたスマホ時間は約9時間ほどである。
ちなみに私は「19時間」ぐらいだ。
逆に言えば私がローランドさんに勝てるところといったらスマホを触っている時間だけなのではないか。
有名人がスマホ時間を短くした方が良いと言っているから右に倣う、という自我のない行動はおそらくローランドさんも嫌うところだと思う。
私はこのまま自分らしさという名のスマホを触っている時間を伸ばしていきたい。
次回は8月23日更新です。
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