某社の担当曰く、昔「伝説のパネマジ職人」がいたそうだ。
パネマジとはパネルマジックのことで、写真を加工し実物より大幅に良く見せることである。
その職人にかかればミスヤンマガをリアルゴリラに加工するぐらい朝飯前、だったかどうかは知らないし、その行為自体に意味があるとは思えないが、とにかくその職人に嬢の写真加工を依頼した店はどこも繁盛したという。
だが、それも今は昔である。
何故なら、加工ツールの方が劇的に進化してしまい、現在では素人でもプロ級の加工ができるようになってしまったからだ。
よって最近のマッチングアプリ愛好者はプロフィール写真で好みのタイプを見つけても「うひょ!かわい子ちゃん!」などとすぐには飛びつかないという。
冷静に名前などからSNSアカウントを見つけ出し、そこにアップされている写真と見比べてからマッチングするようにしているらしい。
だが、そこまでしても現地にやってくるのは「代打:お母さん」と見紛うばかりの方だったりするそうだ。
現在では静画はもちろん動画ですら加工ができてしまうらしく、もはやお手上げの状態らしい。
このように、写真をネットに上げる時、加工をするのはもはや当たり前になってきている。
むしろ何の加工もせず写真をアップしている人間の方が「この顔で加工もせずにアップとな?」と批判されたり「とりあえず背景だけでも加工する気はなかったのか」と背景警察に絡まれる逆転現象が起こっている。
写真を映えさせてネットに投稿することはもはや当たり前になってきており、あとはどれだけ映えさせるかの戦いになってきている。
しかし、何かが本流になれば必ずそれに逆行する文化が生まれるものだ。
実際に海外ではすでに「映えないSNS」が登場しているという。
このSNSは写真加工不可、さらに投稿できるのは1日1回まで、というSNS版ザファーストテイクなのである。
さらにアプリから通知が来てから2分以内に投稿しなければいけないそうだ。
2分を超えても投稿はできるが、その分オーバーした時間が表示されるようになっているという。
つまり「寝起きすっぴん^^;」と称して投稿された写真に「5時間32分」など、映えさせるために使った時間が表示されてしまうということだ。
アンチ映えSNSとして映え疲れした若者にウケているらしいが、そこに投稿された写真が映えさせた写真より自然体で優れているか、というとまた別の話である。
自宅の三角コーナーの写真より、5時間かけて行った絶景写真の方が美しいと感じるだろうし、履歴書なら撮って出しよりフォトショで鼻毛を消した写真の方が確実に好印象だろう。
映えに固執しすぎるのは良くないが、人に自分を良く見せようとする行為が馬鹿げているわけではない。
結局加工していようがいまいが、他人の写真の粗を見つけようとする行為が一番ダサいのである。
次回は11月8日更新です。
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!
コミックスを購入
2XXX年、人間は絶滅しかけ、どうぶつ達が政権を握るようになった日本。投票率0%で続投決定のムラヤマ総理大臣(ツシマヤマネコ)が国を統治する!! 日本の問題点をあぶり出して燃やす、社会風刺行政ギャグ!! 時事ネタひとコマ漫画「文化庁チンアナゴ長官」も同時収録!!