Xが新しい機能を搭載するたびに「こんなの誰が使うんだ」と、不味いと言いながら連日やって来る純喫茶の常連みたいなことを言ってきた。
ちなみに本人はいかにも「店主とはマブダチ」という顔をしているが、普通に出禁のタイミングを窺われている。
しかし、ボイスチャット機能である「スペース」に最初文句をつけていた割に、現在かなり頻繁に利用しているため、Xの機能に対し「誰得」とは簡単に言えなくなってきた。
そんな中「サークル機能」が10月末にサービスを終了することとなった。
サークル機能に関しては、私は全く使っておらず、一体誰が使っているのだろう、と思っていたが、そもそもサークル機能は、限られたユーザーにしかつぶやきを表示させない機能である。
気づいていないだけで、実は私のタイムラインはサークル機能を使った密談だらけであり、知らないのは自分だけ状態だったのかもしれない。なぜXでまで現実と同じ目に遭わなければいけないのか。
しかし、鍵垢ですら、いつスクショを撮られて晒されるかわからない世の中である。
ましてサークル機能など、当初「サークルメンバー外でも普通に見られる」という不具合が報告されていたほどだ。
マジックミラー号だと思っていたら、後でただのスケスケ号だったと判明するエロ漫画のように、サークル内のつぶやきが筒抜けになっていない保証はない。
サークル機能で公になったらヤバいようなつぶやきをするのはあまりにも危険である。
ではサークル機能は一体どんな用途で使われてきたのだろうか。
いかなる用途にも使われていなかったから終了するのかもしれないが、どんな不人気漫画であろうと終わる段階になって「好きだったのに」と言い出す人間が現れるように、サークル機能だって、普段使いし、終了を惜しんでいる人間はいるはずである。
もしかしたら「サークル機能」という名の通り、多くのフォロワーにとって興味のないマニアックな話や、意味の通じない私信を特定の内輪グループに向けて発信するために使われていたのかもしれない。
そうだとしたら、自分ではなく、自分のつぶやきを見る側に配慮するための機能だったということだ。
ならば、誰に配慮することもなく、あたかも地球に自分一人しか存在しないかのようなつぶやきをする私には最初から無縁の機能だったということである。
しかし「他人への配慮」の真の目的は「自衛」だったりもする。
SNSでイラスト投稿などをしていると「あなたの日常のつぶやきには興味がないので、イラストだけ投稿してくれ」など、相手を画像生成AIと思い込んでいる人からの要望が届くこともあるらしい。
そういう他人のTLを思い通りにしたい人から自衛するために先手を打って、サークル機能によるつぶやき分けをしていた人もいたのかもしれない。
今となってはどのように使われていたか不明だが、普通に「フォローされてるけど何となくコイツにはつぶやきを見せたくない奴」をハブるために使われていたのかもしれない。
次回は11月7日更新です。
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