前回「マッチングアプリはプロフィール勝負になるので、強いプロフが作れない奴は永遠に出会えないし、それはXでも変わらない」と書いたが、それはあくまで「声をかけられる側」に徹した場合だ。
顔写真やプロフが魅力的であれば、自分が動かずとも次々に声がかかるが、そうでない者はパーティーの間中、紙皿とQooオレンジが入った紙コップを持って棒立ちするだけの話で、自分から動いて声をかければその限りではない。
もちろん、プロフが弱ければ返信率も低いだろうが、マッチングアプリに個人情報を預け続けるだけになるよりは、ダメ元で声をかけてみた方がまだ進展があるだろう。
しかしモテない人間の真のモテない力(リキ)が発揮されてしまうのは、声をかける側に回った時だという。
これは、出会い系やネットの中だけの話ではなく、他人とコミュニケーションを取る気がある人間なら誰しも気をつけなければいけないことなのだが、出会い系で返事が返ってこない人間は「距離の詰め方がバグっている」場合が多いのだそうだ。
つまりメッセージの第一声が「会いましょう」になっているのだ。
出会って4秒で合体することを目的としたアプリなら、それが正しい作法かもしれないが、特に女性にとっては「知らない男」というのはそれだけでちょっと怖いのである。
ちょっと怖い相手から、いきなり「会おう」と言われたら、もはや怖いでしかなく、恐怖を感じた人間が取る行動と言えば「逃げる」以外ないのだ。
コミュニケーション慣れしている人間であれば、まず自分がどういう人間であるか知ってもらい、相手を安心させた上で会おうという話をするだろう。
しかし、そうでない者は「相手もマッチングアプリを使っているのだから、自分と同じですぐに会いたいに違いない」と思い込んで急速に近づき、相手を高速ムーンウォークさせてしまうのである。
これは出会い系だけではなく、いつも見ている有名人に知り合い感覚になってしまい馴れ馴れしくしてしまったり、初対面の相手に「早く仲良くなりたいから、天気の話なんてしている場合じゃねえ」という自分の一方的な気持ちから、「どんな女が好みだ?」と東堂葵のような初手をかましてしまったり、コミュ症は距離感バグを起こしやすい習性がある。
しかも東堂なら許される、というわけでもなく作中でもいきなりそう聞かれた人間の大半は困惑していたので、現実でやったらいよいよキモイと思った方がいいだろう。
なぜそのようなバグが起こるかというと「自分が早く会いたいから相手もそうに違いない」など、他人との距離を自分基準で測ってしまいがちだからだろう。
やはり、相手より自分の気持ちを優先する人間はモテないのである。
急に自分なんぞに声をかけられたらキモがられるかもしれない、という理由で推しに応援メッセージなどを送ることができないという、奥ゆかしい人も多いと思うが、そう思える時点で実はそんなにキモくないのである。
そうしている間にも、推しのところにはキモい可能性すら考えない真のキモい人のキモいメッセージがガンガンに届いていると思うので、それを励ます意味でも臆せず送るべきではないかと思う。
次回は12月12日更新です。
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