オーストラリアで16歳未満のSNS使用を禁ずる法律が可決されたようだ。
この法律に関係あるのはオーストラリアに住む16歳未満の子どもとその保護者、そしてSNSを運営している企業だ。
そのどれにも当てはまらない私が「こんなことまでお上に規制されたくないね」と言いだすのは、女のズボンにポケットをもっとつけて欲しいという話にオジさんが「別にいらなくない?」と口を出してくるレベルのしゃしゃり出である。
しかし、オーストラリアンキッズじゃなくて良かったと思う一方、ちょっと羨ましいという気持ちもある。
なぜSNSが規制されたかというと、子どもに害があると判断されたからである。しかし大人なら大丈夫というわけではなく、世の中の子どもに害があるものは大体大人にも有害なのだ。
子どもはそれらの害から法律を使ってでも守らなければいけない存在だが、大人になったら勝手に害を受けて死ねということである。
その害を受け過ぎないよう自分でコントロールできるのが「大人」だと思うのだが、何故か法律というのは精神年齢ではなく実年齢に適用されてしまう。
よって、有害物の害を本当に受けてアルコール依存症になったり、借金苦に陥るのは大体子どもではなく、年齢的大人の子どもである。
私も「誰かソシャゲやXをやろうとする俺の手首を外してくれ」と思っているが、そんなことを時給と交通費なしでやってくれる人はいないのだ。
子どものころ不自由だと感じたことは、今思えば「守られていた」とも言えるのだ。
このオーストラリアのSNS禁止法で禁止されるのは、インスタ、Facebook、TikTok、そして俺たちのXなどだ。
主要SNSはほぼ禁止されている状態なのだが、これに対し、YouTubeやネトゲが入ってない時点で致命的という意見もある。
確かに16歳未満であれば、SNSで自己主張するより、YouTubeを見たりゲームをする方に興味があり、依存という意味ではそっちの方が深刻なのかもしれない。
これが中高年SNS禁止法であれば、Xを禁止した時点で投了であり、じゃあ俺たちはどこで承認されればいいんだと泣き出す中年多数で、これ以上ないほどSNSの怖さをキッズに示すことができる。
Xも一応13歳から使用可能だが、中学生のふりをした中年、もしくは中高生のキャラクターをアイコンにした中年がいるだけで、リアル中高生はあまりいないような気がする。
逆に言えば、そんな大人の巣窟に子どもが間違って迷い込み、大人が吐き出す有害な誹謗中傷やデマを吸ってしまったら大変なので禁止されたのだ。
禁止される前に取り締まりをしなかったSNS運営が悪いとも言えるが、もとはと言えば我々がSNSを適切に使えなかったせいとも言える。
アヘン窟もその洞窟が悪いわけではなく、そこでアヘンを吸ったり吐いたりする大人がいるのが悪いのだ。
オーストラリアの子どもたちには、本当に悪いことをした。
次回は12月31日更新です。
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