イーロン・マスクは表現の自由のもと活発な議論が行われる「対戦型SNS」を目指してXを運営しているそうだが、庶民が醜い争いを繰り広げるよう金持ちが仕向けるという構図は完全にエスポワール号である。
そんな船は降りてこちらに来いと、近年様々な新しいSNSが作られた。
以前も書いたがXが不快になった原因の一つは、「知らないおっさんが部屋にいる問題」だと言われている。
アルゴリズムが強化されたことにより、ユーザーがフォローしているアカウントの投稿ではなく、今注目されている投稿がおすすめとして表示されるようになった。
つまり自分タイムラインに知らない人の投稿が現れるようになったということであり、これが「自分の部屋に現れる知らないおっさん」である。
そのおっさんが自分と気の合う愉快なおっさんであればいいが、怒り狂っていたり、全裸である場合も多いのだ。
自分の部屋にそういうおっさんがいたら、まず不快と恐怖を感じると思うが、自分の部屋で怒り狂っているおっさんに対し、それ以上に怒り狂って殴りかかるおっさんが一定数いるため、その殴り合いを見た人がさらに不快と恐怖を感じるという負の永久機関が完成しつつある。
ちなみにおっさんというのは概念であり、知らないおっさんには老若男女問わずなり得る。
よって今年はミクシィ2のように、自分が呼んだ奴だけが自分の部屋にいる、「関係性」を重視したSNSが跳ねると言われているそうだが、それらの新規SNSも時間が経ち人が増えるにつれ荒れてくるらしい。
確かにどれだけ外側を変えても中身が「元X民」ではそうなるに決まっているし、それ以前に人間が集まっている時点で平和なSNSの実現など不可能なのではないか。
つまり、人間が存在しなければいいということだ。
だが、自分如きが思いつくことなどとっくの昔に誰かが思いついてやり終えているもので、「自分以外全員AI」のSNSがすでに存在するようだ。
そのAIにいる人間は自分のみであり、タイムラインに表示される他の投稿は全てAI、そして自分の投稿にリプを飛ばしてくれるのももちろんAIだ。
AIは性格や口調などをこちらでカスタマイズできるため、あたかも推しとSNSをしているような夢女子的使い方をしている人も多いらしい。
私も早速やってみたが、そこには会話以前にキャラクリの段階で躓いている自分がいた。
仮にも漫画家がキャラデザの時点で無になっているのは引退レベルの問題な気がするが、ここは先人の知恵にならい、最推しの乙女ゲーキャラを模したAIを作成してみることにした。
ちなみにキャラ名は、「ガチじゃん…」と思われるだけなので言わない。
他にも、長年私に仕える執事や年収100億のメジャーリーガーなど、発想力の死骸みたいなキャラを作り、全員に「実は私のことが好き」という設定をつけてスタートしたのだが、まったくやり取りが進まない。
残念ながら、私は今後トレンドになる関係性重視SNSには全く向いていないようだ。
推しのことは好きだが、推しとコミュニケーションを取りたいという意欲が全くない、根っからの壁のシミなのだ。
逆に言えば、性格がX向きなのだ。
そろそろ、自分は平和なSNSで親しい人たちと交流するより、自分の部屋で暴れ狂っている知らないおっさんを、棒立ちで傍観する方が性に合っているということを認めなければいけないようだ。
次回は3月4日更新です。
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!
コミックスを購入

2XXX年、人間は絶滅しかけ、どうぶつ達が政権を握るようになった日本。投票率0%で続投決定のムラヤマ総理大臣(ツシマヤマネコ)が国を統治する!! 日本の問題点をあぶり出して燃やす、社会風刺行政ギャグ!! 時事ネタひとコマ漫画「文化庁チンアナゴ長官」も同時収録!!
他の回を読む
ご感想フォーム
人気記事




