8月が終わった。
もちろん私に四季は関係なく、そろそろ五感も三感ぐらいまで減ってきているのだが、この夏の間にわかに盛り上がったツールがあるそうだ。
それが「Wplace」と「Yahoo!天気アプリ」だ。
奇しくも両方「地図」を使ったツールであり、前者は地図上にドット絵を描けるツールで、SNSなどで地図上にできた見事なドット絵を見た人も多いのではないだろうか。
ドットを1つ打ったら待機時間が発生するようで、すぐに絵を完成できるわけではないのだが、この気の長さが逆に受けたのかもしれない。
つまり地図にドット絵を描くツールで、地図がドット絵だらけになり盛り上がったのである。
当たり前だと思うかもしれないが、1歩間違えれば自分の地元が刃牙ハウス状態になっていた可能性もある。「人間にツールを与える」とはそういうことである。
一方、想定外の盛り上がりを見せたのが「Yahoo!天気アプリ」だそうだ。
こちらの方が「月夜の晩だけじゃねえぞ」「雷雨上等」「飛んで目にいる台風18号」など刃牙ハウス化したわけではない。
このアプリは、実際その場にいる人が「今雨が降っている」などの情報を書き込めるようになっており、より正確な天気情報を得られるようになっているのだが、それが時系列順に表示されるようになったため、SNSのように使う人が増えたという。
しかしSNSと違い、投稿は匿名であり、なにより拡散やいいね、の機能がない。
よってコミュニケーションやバズを考えることなく、本物のひとりごととして投稿できるのが気楽でいい、としてにわかに盛り上がったのだ。
このように従来のSNSに対し「疲れ」を感じ、より「平和」なツールがウケるという現象は定期的に起こっているし、疲れさせているのは大体Xであり、逃げのびてくるのはX民だったりする。
しかし、Xに疲れて他のSNSなどに逃げた者の下には常に「このX民がXに戻るまで37日」という平和の国の島崎モノローグがついている場合が多く、結局荒れているSNSでないと満足できない人間が一定数いる、ということがわかる。
そもそも「もっと疲れない平和なSNSをやりたい」という発想自体が平和じゃないし、疲弊しきっている。
SNSとは人間が集まるコミュニケーションツールであり、人間が集まれば必ず平和じゃないことが起きる。SNSに来ておいて「もっと平和がほしい」というのは、熟女バーに来ておいて「ババアばっかじゃねえか」とキレている客と同じだ。
つまりSNSなどに疲れた時の対処法は、平和なSNSを探すことではなく、「人間がいないところに行く」ことである。
次回は9月23日更新です。
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