現在、某芸人が要約するに「芸能人やアスリートなど、有名人以外はSNSを使うな」という旨の発言をして炎上している。
SNS上で見かける「いくら何でもそんなこと言うかね」発言は、全文を確認すると全くそんなことを言っていなかったり、「ウルトラマンコスモス」という発言の一部分だけを切り取り「卑猥な発言」とつるし上げられているパターンが多い。
だが今回のこの発言は割とそのまんまだったようである。
もちろん、「素人にSNSを使わせるな」という突然の海原雄山憑依芸が出てしまったわけではなく、他の芸人がSNSのアカウント乗っ取りからの誹謗中傷で大変なことになった事件を受けての発言である。
確かに道具というのは使いこなせない奴に使わせるべきではない。
人を刺す恐れがある人間に包丁を持たせるべきではないし、他人を害さなくても、クレカで借金を作ったり、ゲームで廃人になったりと、道具どころか自分さえコントロールできなくなる奴は最初からそれを持たない方がいい。
つまり「SNSで誹謗中傷をするような奴はSNSを使うべきではない」なら、少なくともここまで燃えなかっただろう。
しかし、あまりにも当たり前のことすぎて、芸人のコメントとしては完全にスベっている。それより「素人に使わせない」という斬新な回答の方が、ドッカンドッカン爆発炎上して、明らかに今後に悪影響を及ぼしているが、ウケている。
SNSの誹謗中傷が問題になっているのは確かであり、何らかの制限を設けるべきという議論も各国でされているが、この炎上はSNS使用制限の是非ではなく、多くの人間が「俺が見下された」と感じる発言だったことが原因だ。
「バカどもに車を与えるな」と言われても、自分をバカだと思っていなければそのまま無反応でハイウェイを駆け抜けられるが、「芸能人やアスリート以外」と言われれば大体の人間が「俺のことか」と思うし、それらの人を「素人」と表現したのも問題だった。
そもそも芸能人自体、大多数の素人の支持によって成り立っている職業であり、ある意味人間が空気に「邪魔だから出ていけ」と言っているようなものだ。
これが「10代~20代もしくは30代~40代または50代以上の人物はSNSを使うべきではない」など、もう少し限定的だったら炎上は小規模で済んだかもしれないし、「私もその年代にSNSを使わせるべきではないと思っていた」と、9歳以下の層から支持され、炎上ではなく議論になったかもしれない。
人が怒る原因の大半は「バカにされた」なのだ。
バカにしたつもりはなくても、主語が大きければ「バカにされた」と感じる人間も多くなってしまうので、その意味でも「でかいことは言わない方がいい」のである。
次回は10月7日更新です。
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