『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#26 障害のある子どもが楽しめるイベントって?
「ムーちゃんと手をつないで〜自閉症の娘が教えてくれたこと〜」最新コミックス6巻発売!! それを記念して5週にわたり大人気コラム「ムーちゃん通信」を更新します!!
「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」って知っていますか?
「ドリームナイト・アット・ザ・ズー」
障害や慢性疾患のある子どもと家族に楽しんでもらう国際的な取り組み
ドリームナイト・アット・ザ・ズーは、閉園後の動物園や水族館を貸し切って、障害や慢性疾患のある子どもとその家族を無料招待する国際的な取り組みです。国によって違いはあるかもしれませんが、特別な支援を必要とする人への配慮や理解が広がっているとはいっても、障害のない人と同じように気軽に家族でおでかけをするのが難しい場合も多くあります。ドリームナイト・アット・ザ・ズーは、障害や慢性疾患のある子とその家族に、気兼ねなく動物園や水族館で楽しいひとときを過ごしてもらいたい、という願いを込めて企画されたものなんですね。
はじまりは1996年。オランダのロッテルダム動物園が、がんを患う子どもたち175人を招待したことがきっかけです。今では40の国と地域、290施設が参加する国際的なイベントに発展しました(2021年9月30日現在)。日本では、27の動物園・水族館がドリームナイト・アット・ザ・ズーに参加しています。
博物館・美術館での取り組み
動物園だけでなく、博物館や美術館でも障害のある子どもたちに楽しんでもらうような試みも各国で広がっています。
アメリカの博物館・美術館での取り組み:
・特別支援を必要とする子どもと家族を無料招待する
・特別支援を必要とする子どもと家族だけが入館できる時間が定期的に設定されている
・感覚過敏のある子どもたちのための時間を月に1度設けており、入場者数の制限や、音と照明を切るなどの環境調整が行われている
世界自閉症啓発デー
自閉症に関係する国際的な取り組みもあります。それは2007年に国連総会で定められた「世界自閉症啓発デー(4月2日)」です。毎年、4月2日は世界中で自閉症を知って理解してもらうための活動が行われており、日本でも自治体・団体・民間企業が以下のような活動を実施しています。
・東京タワーをはじめ、施設をブルーにライトアップする
・ブルーリボンや青いものを身につける
・パネルを展示する・リーフレットを配布する
・公開講座やチャリティイベントを開催する
ブルーは「癒やし」や「希望」をあらわすことから、自閉症のシンボルカラーになっています。それでライトアップなどで、ブルーが使われているんですね。なお、日本では4月2日だけでなく、4月2日から8日までを「発達障害啓発週間」として設定しています。
ムーちゃんからひとこと
日本では東京都美術館が障害のある人のために、特別展がお休みの日に特別展に無料招待してくれているよ。でも海外では、もともとどんな人でも楽しめるような工夫がたくさんあるんだって。いつでも、誰にとっても楽しめる施設がどんどん増えていくといいなぁ。
【参考サイト・文献】
・世界自閉症啓発デー日本実行委員会『世界自閉症啓発デー』
(http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/)
・東京都美術館『障害のある方のための特別鑑賞会』
(https://www.tobikan.jp/learn/accessprogram.html)
・Dreamnight at the zoo『Dreamnight』
(https://www.dreamnightatthezoo.nl/?lang=en)
・Family vacation『10 Museums with Special Programs for Special Needs Children』
(https://www.familyvacationcritic.com/best-museums-for-special-needs-children/art/)
※すべて2021年9月30日参照
次回は10月21日更新です。
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