10日ぐらい前まで、Twitterの仲間たちはみんな4,360万円のことに憤慨していたはずなのだが、今はほとんど誰も怒っておらず、私一人が未だに私に誤振り込まなかったことを根に持ち続けている、という有様だ。
この事件は、誤振り込まれた側が逮捕された時点でピークを迎えて話題として収束したようだが、その後この4,360万円はしれっとほとんど戻ってきたらしい。
コナソであれば、蝶ネクタイの勘の良いガキが「あれれおかしいなー、ギャンブルに溶かしたはずのお金がなんで戻ってきたのかなー」と言い出すところだが、Twitterの皆さんはそれをガン無視してヤクルト1000に夢中なため、ただのクソでか独り言になっているという有様だ。
結局ギャンブルに溶かしたというのは嘘で、金をプールするためマネーロンダリングをしていたのでは、というさらに闇深な展開になっているようだが、それに対し、Twitter民が以前ほどの興味を持っていないのは事実である。
このことからわかるのはTwitterでは「わかりやすく面白いしか勝たん」ということだ。
Twitterでバズろうと思ったら面白いだけではなく、一瞬で面白いとわかる「わかりやすさ」が必要なのである。
漫画だってどれだけ面白くても「巨弾520ページ」だったらTwitterではバズらないのだ。Twitterでバズる漫画は出会って4ページで面白いと思わせる漫画であり、それだけのページで面白さを伝えようと思ったら「わかりやすさ」は不可欠になってくる。
ニュースも同様であり「多重債務の男が誤振り込まれた金を返還拒否し、全額ギャンブルに溶かしていた」というのは近年稀に見る、わかりやすく関心を引く話だ。
片や「誤振り込まれた金をマネーロンダリングしプールしていた」と言われても、まずマネーロンダリングをググらなければいけないし、プールと言われても思い浮かぶのは「例のプール」だけだ。
ここで、マネーロンダリングを知らないし、調べる気もないという人間はこのニュースに興味を失ってしまう。
誰だって、自分のわかる話には乗りたがる。そしてわからない話はつまらないので、わかる別の話をしようとするものである。
つまりTwitterで4ページ漫画を描いてバズったので、続編のちょっと設定が凝った漫画を上げたら前ほどバズらなかった、みたいな話である。
Twitterの人たちはちょっと難しい話になると関心を示す人が減る、というTwitter民としては嫌な結論なのだが、逆に情報を発信する側になった場合は「わかりやすさ」をまず大事にしたほうが良い、ということである。
しかし、あまりに分かりやすすぎると今度は「馬鹿にするな」と怒り出すのが我々である。Twitter民の自尊心を傷つけないギリギリのわかりやすさを目指さなければいけないのだ。
やはりTwitterでバズるのも簡単ではない。
次回は6月14日更新です。
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