ご存じの方も多いと思うが、某女性タレントが某女性芸人に対し、Xで不適切な発言をし大炎上していた。
その日のうちに出演予定だった番組への出演中止、すでに収録済みの番組からは消しゴムマジックされることが発表され、ついに活動休止になったようだ。
「35歳過ぎるとシープウオーターが醸される」以来の歴史的大炎上に思えたが、このレベルでも3日も過ぎるとX上で話題にしている人は激減しているので、逆にXは過去を引きずらない爽やかなSNSのように思えてきた。
とはいえ大規模な炎上だったのは確かであり、これだけ大騒ぎになったのは、発言の不適切さもさることながら、当初は「裏アカの誤爆」と目されており、それが裏で悪口を言う「いじめの構図」そのものであるとされたからだ。
だがその後、報道によると、裏アカではなく、内輪だけの大喜利を本当に投稿してしまい、すぐに消したが、それが逆に裏アカ誤爆と思われてしまった、とのことである。
この「冗談のつもりで人を傷つける」というのも典型的にいじめっ子ムーブではあるのだが、日常的に裏アカで集団悪口を言っていたわけではないのであれば、まだ救いがある。
だが同時に「他人事ではない感」が増してしまったと言える。
私は自分では悪口を言わず、誰かが自分の気に入らない人間の悪口を言っているのを聞いて無言で深くうなずくだけという、ある意味最も卑劣な人間なので、裏アカを作って悪口を書こうとは思わない。
だがギャグと思って言ったことが、スベるを通りこし、ただ嬉々として人として間違った発言をしている人になってしまう可能性は大いにあるし、むしろ経験がある。そして誰もがやりかねない行為でもある。
特にXの場合「何か面白いことを言わねば」という謎の気負いがあり、スベった勢いでギャグと不適切のラインを全身ローション人間ボーリングのように越えて炎上というパターンが非常に多い。
さらに、このギャグと不適切のラインは時代によって変化する。
以前ならギャグとして成立したものが、いつの間にか放送禁止用語レベルの失言になっている場合もある。
それに対し「冗談も言えないのか」と窮屈さを訴える声もあるが、ふとんがふっとんだなど、ふとんが自我や人権を獲得しない限り永遠に誰も傷つけないであろうギャグも存在する。
それがギャグとして面白いかは別だが、ギャグが古いよりも、いじりや過激な発言だけが面白いと思っている発想の古さの方が問題視されるようになってきている。
そもそも、芸人でもない限り、面白いことを言おうとする必要はないのではないか。
狙うからハズすのだ、暴投によるデッドボールで退場させられるぐらいなら、最初からマウンドに立とうともしないつまらない人間で良いような気がする。
次回は9月3日更新です。
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!
コミックスを購入
2XXX年、人間は絶滅しかけ、どうぶつ達が政権を握るようになった日本。投票率0%で続投決定のムラヤマ総理大臣(ツシマヤマネコ)が国を統治する!! 日本の問題点をあぶり出して燃やす、社会風刺行政ギャグ!! 時事ネタひとコマ漫画「文化庁チンアナゴ長官」も同時収録!!