『月曜日のお寺ごはん』青江覚峰 浅草・緑泉寺のお坊さんによる人生相談
#22 マンション内のママ友との交友関係について悩んでいます。
今週の相談:マンション内のママ友との交友関係について悩んでいます。子供にピアノを習わせようかなと話すと、電子ピアノにして夜音出さないでね。との牽制。購入したものについてもっと安くて似たものがあるのにそんなの買うなんて…。と。正直家のことまで入ってきてほしくはないなと。子供達は仲が良いので最低限のお付き合いは続けていきたいのですが、家のことに口出すな!をやんわりと伝えるにはどうしたらいいでしょうか。
安らぎの場であるはずの場所で居心地がよくなくなってしまうのはなんとも残念ですね。
このママ友の方、どうやらあなたに執着をしているように思えるのですが、いかがでしょうか。
お金に執着する、食べ物に執着する、人に執着するなど、執着の対象は無数にあります。ここで間違ってはいけないのは、執着はその対象物そのものではなく、人の心が作るものだということです。
例えば、道を歩いていてきれいな女の人がいたとします。男性がそれを見て、きれいな人だな、つきあいたいなと思う。これは執着です。そして別の女性が、羨ましいな、自分もあんな美人になりたいなと思う。これもまた執着です。
この場合、執着はきれいな女の人ではなく、それを見た男性と女性の心に中に宿っているのです。対象はただ存在しているだけ。
では、どうすればいいかと言われると、なかなかズバリ良い答えが思いつきません。どのくらいの頻度で会うのか、マンション以外の場でも交流せざるを得ない状況があるのかなど、対応はケースバイケースです。ですので、ある程度どんな状況でも使えそうな方法を2つお伝えしたいと思います。
1つ目は、2人きりになる機会を減らすこと。例えば、ゴミ出しのときも人の多い時間帯にするなどです。2人だけになるシチュエーションをできるだけ避けて、プライベートな話題が出ないように心がけるといいでしょう。
もう1つは、YesもNoも言わないということ。相手にとって、いわば暖簾に腕押しといった状況を続けることです。相手があなたに執着をしているとすれば、執着をしている相手のくれるどんな反応でも「かまってくれた」という信号になります。ですから、はっきりとした答えを言わない、反応をしないというのが、望まぬ執着を交わすのには有効です。
今回は仏教の視点からお話するのが少し難しかったので、わたしからの個人的なアドバイスといったところをご紹介しました。
次回は4月15日更新です。
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