今年になってインタビューをされる機会が増えたのだが、そこで「これは取材や自身の体験を元に書いているのか」と聞かれることがある。
その度に「取材はほぼしないし、部屋から出ないから体験もない。大半がXというドブに吐き捨てられた他人の愚痴を元に書かれている」と答えるしかないのだが、取材や面白い体験が面白い作品になるとは限らない。
売れている異世界転生作品の作者が異世界に取材に行っているとは限らないのと同じである。
ただ全くの無から脳内に直接、野生のアイデアが生えてくるというクリエイターは稀であり、他作品など何かしらからインスピレーションを得ている場合が多い。
つまり、ネモフィラ畑を見てアイデアが湧くクリエイターもいれば、Xのおすすめ欄から飛び散ってきたヘドロを全身で浴びた瞬間ひらめく奴もいるということだ。
よって私がXを見ている時間は仕事のうちと言いたいが、大半はドブからアイデアを得るのではなく、己の時間をドブに捨てるのに使っている。
実際SNSや動画サイトは、人間の思考を奪うツールとされている。
SNSや動画を見て自分の思考に繋げられればいいのだが、大半は「見っぱなし」で終わっているからだ。
特にSNSやショート動画は、次から次へと新しい情報が流れてくるので、自分の思考など挟む余地なく、ただ他人の思考や作品を受け取り続けるだけで時間が経過し、「そろそろ寝るか」になっているのだ。
自分に直接関係ない話題に乗っかって意見を言うことを「お気持ち表明」と言ってバカにする傾向もあるが、その話題に対し自分で考え、自分の意見をクリエイトしているという意味では、他人のお気持ちを流し見し続けている奴より生産性があるといえる。
ただ、それが「他人の不倫」など、己の思考と時間を割くべき話題なのかをまず考えた方がいいし、それが一つの思考にもなっている。
しかし、「自分で考える」というのは疲れる作業なので、疲れている時ほどSNSなどの短文やショート動画を延々見続けて止まらなくなり、さらに疲れるという悪循環に陥りがちなのだ。
よって何もしてないのに疲れているという人はSNSなどから離れた方がよい。実際SNSを断った人の大半が幸福度が上がったと感じるらしい。
だが、残念なことに幸福だったはずの人の大半が、100日以内にまたSNSに戻ってくるらしい。
もはや頑張ればスマホやSNS、ネットから離れられると思うのをやめた方がいいのかもしれない。
たとえ午前3時までスマホのブルーライトで目を焼いてしまっても、「こんな日もある、明日はやめよう」と思って生きるしかないのだ。
次回は9月16日更新です。
今後の最新コンテンツが気になる方は、ぜひSouffle公式Twitterをフォロー!
コミックスを購入

2XXX年、人間は絶滅しかけ、どうぶつ達が政権を握るようになった日本。投票率0%で続投決定のムラヤマ総理大臣(ツシマヤマネコ)が国を統治する!! 日本の問題点をあぶり出して燃やす、社会風刺行政ギャグ!! 時事ネタひとコマ漫画「文化庁チンアナゴ長官」も同時収録!!
他の回を読む
ご感想フォーム
人気記事




