『ムーちゃん通信』赤沼美里 発達障害と自閉症がもっと身近になるコラム!
ムーちゃん通信#10「夜驚症ってなあに?」
子どもが夜驚症になったら、親も眠れなくて大変。そんな時は無理やり起こしてもいいの? 夜驚症の原因や対処法をお知らせします!
深く眠っている時に突然泣き叫びます
夜驚症とは、深い眠りにある時に突然泣き叫んだり、悲鳴をあげたり暴れたりする睡眠障害のことです。発達障害に関係なく、3~6歳の子どもによくみられるものです。思春期までにほとんどが自然になくなるといわれており、特別な治療は必要ありません。
【脳の成長過程で起こります】
夜驚症は、脳が睡眠と覚醒のバランスをうまく取れないことで起こります。通常、人は起きているときに体を動かし、眠っているときは体が動きません。ところが夜驚症では、寝ているのに部分的には目を覚ましている状態になるため、体が動いてしまうのです。遺伝も関係していると考えられており、生まれつきの脳の性質によるもので、しつけや育て方とは関係ありません。
【見えていない・聞こえていない】
母親が目の前にいて声をかけているのに「お母さん!」と泣き叫んで、捜すことがあるかもしれません。夜驚症では部分的に目を覚ましているとはいえ、深く眠っている状態にあることから、本人には母親が見えていない・聞こえていないのです。
【感情刺激がきっかけに】
楽しいこと(遊園地に遊びに行った)、悲しいこと(学校でいじめられた)、怖いこと(怖いテレビを見た)、緊張した(発表会に出た)など、感情を動かすできことがきっかけとなってあらわれることがあります。
【夜驚症の特徴】
・眠ってから1~3時間にあらわれる
・目を見開く、汗をかく、呼吸が荒いなどの状態がみられることも
・呼びかけても反応しない
・本人は泣き叫んだことを覚えていない
・長くても10~15分でおさまる
無理に起こさず見守って
夜驚があらわれているときに、無理やり起こすことはやめましょう。無理に起こしてしまうと、かえって混乱して暴れることがあるからです。また泣き叫びながら走り出してしまうこともあるため、子どもがケガをしないように見守る必要があります。
【安全に見守るために】
・ベッドから落ちないように、そばにいる
・ベッドから落ちてもいいように、ベッド周りにはクッションを敷いておく
・寝室や廊下には、転んでケガをするようなものを置かない
・ベランダから落ちないように、窓の鍵はかけておく
ムーちゃんからひとこと |
【参考文献】
・神山 潤/著『総合診療医のための「子どもの眠り」の基礎知識』(新興医学出版社、2008年)
・神山 潤/著『子どもの睡眠外来 キーワード6つと国際分類活用術』(中山書店、2011年)
・谷池雅子/編集『日常診療における子どもの睡眠障害』(診断と治療社、2015年)
・東邦大学医療センター佐倉病院小児科『~子どもによくみられる症状~「夜驚症・夢中遊行症」』(2019年3月31日参照)
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