『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?
#50 子供がツイッターをやらない方がいい理由。
小・中学生のみなさんはSNSを始める前に、この連載を読もう。
最近はスマホを持っている中高生も増えて来た。
何匹に増えても不動の「カワイイ」であるおキャット様に対し、人間は愚かなので数が増えると、ほぼ必ずケンカ、そして犯罪が起きる。
スマホを持つ子どもが増えたことにより、スマホやSNSによる子どもの犯罪被害も増えているそうだ。
児童向けスマホ犯罪被害の危険性を訴えるリーフレットによると、子どもの犯罪被害が最も多いSNSはぶっちぎりでツイッターだという。
さすが俺たちのツイッターさん。
そう言いたいところだが、笑いごとでない。気をつけるというレベルではなく、子どもはツイッターをやるべきではない。
「子どもはツイッターは早い」という上から目線ではなく「あなたの貴重な若い時間をこのような、ぬる泥沼で浪費すべきではない」という意味でおススメしない。
ツイッターというのは、若さ、可能性、希望、全てを失い、ドブに捨てる以外時間の使い道がなくなってからでも十分楽しめる、むしろ、そういう人間ほど楽しめるツールだ。
子どもが使ったところで「大人はバカだ」というどうしようもない事実しか発見できない。それよりは森に行ってヘラクレスオオカブトとか探す方が有意義に決まっている。
だが私たち世代が「ファミコンやってないで子どもは外で遊べ」と言われていたように、子どもはスマホなんかいじるな、というのも大人の繰り言でしかない。
すでにスマホやネット、SNSはティーンの間でも大きな娯楽となりつつあるようだ。
よって芸能人などもテレビではなく「ネット発」のアイドルを追いかける子どもも多いようである。
逆に自撮りや動画をネットにあげて、自分がアイドル的なものになろうとする者も当然いるだろう。
しかし、ネットに完全な匿名性はないと言ってもリアルに比べれば匿名性が高い。
そんなネットで生まれて、ファンが10代で構成されているようなアイドルというのは、アンチが凄まじく、悪口や誹謗中傷もすごいそうだ、おそらくファン同士のケンカも日常茶飯事だろう。
火事とケンカが華という、江戸みたいな世界観だ。
それに対し、YOSHIKIさんのニコ生に流れるコメントは「明日のお弁当は何作りますか」とか「明日も早いので寝ます」等、穏やかなものだという。
殺伐としたティーンの世界に突然YOSHIKIが、と驚かれたかもしれないが、担当が25年来のYOSHIKIファンだそうだ。
もちろん、YOSHIKIさんもYOSHIKIさんファンも昔はもっと血気盛んだっただろう。
しかし年を経ることで、その穏やかさを手に入れているのである。
YOSHIKIさんだけではなく、芸歴が長い人のファンは年齢層が高く、基本的に落ち着いているそうだ。
それを聞いてハッとした。
影からの悪口や誹謗中傷、そして内輪もめ、というのは、子どものやることなのである。
大人になっても、やっていて、それしか愉しみがない、というのは大人としてヤバい事なのだ。
確かに我々は、ティーンが持っている、若さ、可能性、希望は大半失っている。
だがその分、落ち着き、穏やかさ、寛大さ、体積、などティーンが持っていないものを得ているはずなのだ。
しかしツイッターには「失っただけで得てない大人の発言」もよく流れている。
そういうものに喜ぶのは、いつまでもウンコギャクに爆笑しているのと同じだ。
ツイッターはガンジス川なので、悪口や誹謗中傷というウンコが流れてくるのは当然だ。
だがそれを「ウンコだー!」と大はしゃぎで追いかけているようでは「大人としてツイッターを使えてない」と言えるだろう。
次回は10月15日更新です。
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