無職のひきこもりには全く関係ない話なのだが世間では、入学や進級のシーズンらしい。
これは子供にスマホを持たせるタイミングでもあり、それをいつにするかが昨今の親の悩みどころの一つだそうだ。
私が小中学生の時はスマホはもちろんネットもなく、その代わりにシンプルかわいい弥生土器が女子の間で流行っていたが、当然我が家では買ってもらえず、お下がりの縄文土器を使っていた。
だが最近の子供は物心ついた時からネットがあって羨ましいかというと、私含む中年たちは口を揃えて「中学生の時ネットがなくて本当によかった」と九死に一生を得た顔でいう。
よって「中学生の時ネットがなくて良かった」というのは我々世代の共通認識だと思っていたが、それは間違いであり、同世代でも堂々と「自分が学生の時にスマホがあったらもっと楽しかっただろう」と言う人がいると判明した。
よく見たら「なくてよかった」と言っているのはもれなく縄文土器を使っていた仲間たち、つまり陰キャやオタクであり、中学生の時にネットがあったら、確実にあの時ノートに綴ったポエムや小説、セフィロスとクラウドを足して2で割り忘れたオリジナルキャラクターを世界に発信していた自信があるからなくてよかったと言っているのだ。
逆に弥生土器を使っていた人たちはそういう当時そういうものをクリエイトしていなかったため、無邪気に中学生の時にスマホがあったらYouTubeとか超見れてよかったのに、と思えるのである。
ネットが普及したての頃も、今のようにYouTubeやSNSはもちろん、ブログなど誰でも気軽に発信ができるツールがなかった。
ネットで発信を行うのは自分でHTMLを一から打ち込んででも、俺のポエムやセフィウド(キャラ名)を世界に発信したいという、吐き気を催すレベルのオタクしかいなかったのだ。
だが時は流れ、ツールの進化で誰でも知識なく発信ができるようになり、もはやSNSをやっていない人間の方がレアになってきた。
さらに陰キャやオタクどころか、YouTuberが子供の人気職業になるなど、ネットで発信を行うことはむしろカッコいいまである、という世の中になってしまった。
つまり、昔であればネットにハマってやらかすのは縄文系の子供だけであったが、今は全子供がネットで自己発表するついでに、自宅の住所まで世界に大発表する可能性がある、ということなので、やはり現代の親は大変である。
しかし時の流れにより「ネットで発表すること」はイケていることになったかもしれないが「小中学生のやること」までもがカッコ良くなったかというと、我々世代と大差なくクソダサなままなのではないかと思われる。
よって今ネットで発信をしている小中学生は、中年になった時「何故あの時ネットなんかがあったのだ」と永遠に転載され続ける己の自作ポエム朗読動画を前に途方に暮れることになるのではないだろうか。
やはり自分が小中学生の時にネットがなくてよかった、なんの負け惜しみでもなく、心からそう思う。
次回は5月10日更新です。
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