現在、日本では漫画や音楽など様々なコンテンツを無料で合法的に楽しむことができる。
このコラムの閲覧も当然無料であり、「時間」というある意味金より貴重なものをドブに捨てることにはなるが、少なくとも金を払えと言われることはない。
だが何故これだけのものが無料で利用できるのか疑問に思ったことがある人も多いだろう。
一瞬たりとも疑問に思ったことがない、という人はタダが当たり前になりすぎており、1円でも取ると言い出したら烈火の如く怒るタイプになりがちなので注意が必要だ。
先日も某モバイルサービスが使用料無料期間を終了し、多くのユーザーが反発を示したのだが、それに対し社長は「ずっとタダで使われても困る」というようなコメントを出したそうだ。
冷静に考えれば至極当然のことなのだが、それを聞いた者の多くが「そう言われればそうだ」とスペースおキャット様顔になっていたようなので、我々のタダが当たり前意識は相当深刻なところまできている。
多くのコンテンツはボランティアではないので、どこかで利益が出せないとサービスを続けることはできない。
ソシャゲであれば、一部の廃課金者がゲームを支えるという、象が大地を支えているような地球平面説を採用しているのだが、その他のコンテンツは「広告」による収入で運営している場合が多い。
つまり無料でコンテンツを利用する以上、広告が表示されるぐらいはある程度我慢しなければいけないということである。
それが我慢ならんという人は有料版を利用して広告を消すしかない。
無料で使いたいし広告も見たくない、というのは、食い逃げ犯、もしくはスパーク一発やり逃げ野郎の発想すぎる。
しかし、広告が出るのは良いが、せめてこちらが不快にならない広告を表示してほしいと思っている人は多いだろう。
サバサバ女のように、苛立ちを超えて「応援」という感情が芽生えるピリオドの向こう側パターンもあるがそれは稀である。
私のTwitterには悪役令嬢ものの漫画バナーがよく表示されるのだが、悪役令嬢ものというのは、不遇の結末を迎えた悪役令嬢に転生し、かつて自分を嵌めた奴らに復讐するという話が多い。
そういう話は嫌いではない、むしろ好きなのだが、バナーに表示されるのは「不遇」の部分であり「このクソどもに復讐するところを見たかったら課金してください」というシステムなので、不遇部分だけを見せられて嫌な気持ちになっただけの場合が多い。
だがそれについて苦言を呈したところ「そういうバナーが表示されるのはそういうバナーをクリックしているからだ」と逆に苦言を呈された。
確かに、Twitterくんとて馬鹿ではない、と言ったら嘘になるが馬鹿じゃないところもゼロではない。
私のような中年女に「毎朝布団がふっとんだ!」というような精力剤の広告を表示しても仕方がない。
おそらくAIが私が興味を持ちそうな広告を選んで表示しているのだろう。
つまり私は、悪役令嬢が不遇な目にあっているバナーを見るたびに「もしかしたら無料でこのクソどもが地獄に落ちるところが見れるかもしれない」と思ってバナーを押しているから、またそういうバナーが表示がされるのだろう。
Twitterに表示される広告は自分を映す鏡だ。
まずは「無料でクソどもが地獄に落ちるところは見れない」と肝に銘じてバナーをクリックしないところから始めなければいけない。
次回は8月9日更新です。
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