あるトカゲは従来は低いところを住み処としていたが、外来種が入って来たことにより餌の競争が激しくなったため住み処を高い所に移し、それに対応するため足が太くなり、鱗もひっつきやすく進化したという。
この進化をするのにかかった時間はたったの15年程度だそうだ。
このように、他の生物は今も環境に合わせて進化し続けたりするが、人間は空気が悪いところに住むと鼻毛が伸びるぐらいで根本的な進化はしていない。
そんな2000年以上安西先生を「まるで成長していない…」と呆然とさせ続けてきた人類だが、ここにきて劇的な進化を遂げることになった。
そして人間を進化させたのは「スマホ」である。
人間はスマホを手にして以来「スマホ首」「スマホ肩」そして「スマホ老眼」とスマホに合わせてその体をトカゲを超える勢いで進化させたのだ。
ただ惜しいことにその進化には全てメリットがなく、どちらかというと退化に近い。
スマホ首というのは「ストレートネック」と呼ばれ、本来ならカーブを描いているはずの首の骨が、スマホの見過ぎで長時間前傾姿勢になることによりまっすぐになり、肩こりや頭痛を引き起こすという。
現在日本人の8割がこのストレートネックかその予備軍だという。
多数決の原理でいくと、もはや日本人はストレートネックの方が正常な気さえしてくる。
特に日本人は周りと違うことを嫌がるので、そのうち曲がった首をストレートに矯正するようになるかもしれない。
スマホ肩というのは「巻き肩」と呼ばれ、肩が前に出て内側に巻いている状態のことを指す。
これもスマホの見過ぎで前傾姿勢になってしまうのが原因で、肩こりなどの体調不良を引き起こす。
そしてスマホ老眼は、スマホ画面を目に近づけて見るため、目のピントを合わせる機能を低下させ老眼化が早くなるという。
もしかしたら中高生にして早くも老眼という飛び級をする子供も出始めているのかもしれない。
これらを防ぐ方法はまずスマホを見る時間を減らすこと、そしてスマホを見るとき姿勢に気をつけ、画面から目を離して見ることである。
スマホを見るのに姿勢に気をつけるというのは、毒で死にたくはないが、毒を飲むのはやめたくないので水割りで飲むことにしたみたいな話で、根本的解決にはなっていない。
しかし、これが他の生物であれば長時間のスマホ使用に耐えるため、首や肩、目が強靭になるはずである。
それなのに人は体を痛めるばかりで全く強くならないのだ。
やはり人間は肉体的には他の生物に劣っている部分が多いと言える。
その分、人間は生き残るために知能が進化したはずなのだが、その知能で作り出した機器でさらに体を退化させているのである。
もしかしたら人間は頭もそれほど良くないのかもしれない。
次回は9月27日更新です。
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