#238 炎上に加勢するリスクとは | Souffle(スーフル)
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コラム 2023.06.27

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#238 炎上に加勢するリスクとは

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

最新話更新!

『ほがらかSNSライフ』先日某エッセイ漫画家が炎上していた。

何故炎上していたかというと、私が見た限りでも、不倫や離婚などの女性問題にはじまり、エッセイ漫画内の嘘や捏造、賭博行為や反社とのつながりなど、とにかく火元が多すぎて、逆に全部蜃気楼なのではとさえ思えてきた。

少なくとも、大量にアップされているLINEや裏アカのスクショが全部本物ではないだろうと思っていたが、その後本人により、告発内容はほとんど嘘で、刑事事件として捜査中であることが発表された。

被害届を出されたのは、炎上の元となった情報の告発者のようだが、もし炎上の尻馬に乗って新たなデマを流した人間がいれば、そちらも名誉棄損などで訴えられる可能性はある。

やはり炎上に対しては二階席の柱に寄りかかりながら、腕組みで頷くぐらいの距離でいた方が安全であり、盛り上がっているからといってモッシュに参加したりすると、ライブ終了後に「あなたのダイブで骨折したんですけど」と損害賠償を求められる恐れがある。

炎上は、火がついた瞬間今まで潜伏していたアンチが現れ「義によって助太刀いたす」と一斉に加勢することによりさらに燃え広がるケースも多い。
しかし、いかなる場合も人を叩くという行為に義はないため、場合によっては義によって助太刀した側が法によって処されるケースも増えてきている。

現実で考えてみても、すでに燃えている家はさらに自分が火をつけても大丈夫ということはないだろう、後で何らかの罪に問われるはずだ。

ネットで何かが燃えていると「祭」と称して人が集まり延焼させる現象は昔からあったが、最近は熱狂する群衆に対し、祭られた側が「先生」または「国家権力」を連れて超冷静に対処されてしまうこともある。

ネット社会において自身が炎上しないように気を付けることも大事だが、火元が定かでない炎上に近づきすぎないのも重要である。

そして当然「火をつける側」になるのも危険である。
今回の炎上も結局、火をつけた側である告発者が刑事告訴される事態になってしまっている。
炎上した側も多くを失うが、もしそれがデマによる放火だった場合、火をつけた側の方が最悪前科がつくなど、大ダメージを受ける結果になりかねない。

現実でもネットでも放火は重罪である、告発は自分もろとも燃える覚悟でやるべきであり、少なくとも面白半分でデマを流したり、デマを広めるようなことはしない方がよい。

しかし、火がついたことにより、今まで潜伏していたゲリラアンチ部隊が突然現れ一斉砲火してくる、というのはなかなか恐ろしいものである。

私みたいな者でも、1人SNSなどで「あいつの言動はどうかと思う」と言いだすと、2,3人「実は私もそう思っていた」と追随する者が現れるものだ。

だが逆に言うと10年以上活動していて、2,3人しか潜伏してないのも問題なのかもしれない。
燃えた件の漫画家は敵が多かった、というよりそれだけ有名だったから、ということである。

次回は7月4日更新です。

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OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。しかし、唯一無二の居場所のSNSには炎上、マウンティング、キラキラ女子など、闇も広がっているのです。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方コラム。

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