収益化が始まってからXの治安はますます悪くなり、特に「おすすめ欄」は、世界危険地域マップでドクロマークを3つつけられており、「昼間でも行くな」と言われている渡航禁止区域だ。
そのように主張してきたが、それに対し「自分のおすすめ欄はそこまでドクロついていない」「うちのおすすめ欄は可愛い動物が主であり、ドクロどころかニコちゃんマーク3だ」という意見が寄せられた。
誠に遺憾であるが、やはりXのおすすめ欄の汚さは使用者の魂の汚れ方に比例するということが判明した。
今後は「カバンと靴、そしてXのおすすめが汚れている奴は程度が知れている」という新説をXで提唱し、反論者を一日中顔真っ赤でブロックし続けるXの黄ばみの一つになっていけたらと思う。
しかし、子猫とガーデニングにしか興味がないのに、おすすめ欄が人間同士の殴り合いや、他人が他人の金を盗んだ話で埋め尽くされるというのなら「おのれイーロン」でしかないが、私は事実として、他人の不幸や醜聞が好きなのだ。
ならば、それしか流れてこないおすすめ欄はサーモンとコーンしか流れてこない回転ずしを自分専用に作ってもらったようなものであり、むしろ「ありがとう」なのではないか。
しかし、人間の好みというのはそこまで雑ではない。
何のこだわりもなく「全部好きだから何でも出してくれ」と言えるのは、それこそおキャット様ぐらいしか存在しないのだ。
Xのアルゴリズムはこちらの好みに対する解像度が極めて粗く、マガジンと月マガの区別がついていないどころか、同じ漫画というだけで小学生相手に平気でローレンスを出してくるところがある。
確かに私は他人の不幸が好きだが「転売目的で借金して買ったポケカが大暴落」など、爽やかな自業自得の不幸が好きなのであり、好みの不幸の幅は意外と狭いのだ。
そこを、Xは不幸なら全部好きだろうと不運による不幸を出してくるのはもちろんのこと、不幸が好きということは「理不尽」や「かわいそう」も好きですよねと、幼子を抱えてモラハラ夫に耐えるしかないサレ妻などを出してきたりするのである。
しかも、全て見当はずれなら良いのだが、ソレジャナイの中にキラリと光る「FXで全財産溶かした話」がたまに見つかるのも事実なのだ。
よって「今日はお宝が流れているかもしれない」という射幸心から、ついおすすめ欄をタップするのがやめられないのである。
しかし、それは毒沼の中にあるラーの鏡を探す作業であり、探し続けるうちにHPがなくなっており、気づいたら王様の前で「今日もおすすめ欄を見続けているうちに1日が終わっているとは情けない!」と叱責されているのだ。
時節柄「ギャンブルは怖い」という話題をよく聞くが、おすすめ欄を見続けて時間を浪費し続けている人間も、今日こそ良い情報が流れているかもしれないというギャンブルがやめられない依存症なのかもしれない。
次回は4月23日更新です。
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