斎藤兵庫県知事の再選により、もはや現代人はテレビなどの「オールドメディア」の情報を鵜呑みにすることをやめたのではないか、と言われている。
確かにそうなのかもしれないが、だからと言ってSNSやYouTubeなどネットの情報を信じるようになったとも言い切れないと思う。
もし現代人がテレビよりネット情報に精通し、そちらが正しいと思っているのなら、日常会話もなんJ語で行われていなければおかしい。
県外の人間はそれこそテレビやネットだけの情報で、選挙結果について論じているが、現地の人は現地にいなければ感じることができないものも含めて判断したのだろう。
しかし、現地に住んでいたとしても、本当に見極めたいなら、斎藤知事を自宅に呼んで駐車場の時点でキレるかどうか検証する必要があるし、県民全員がそれをやるのは不可能である。
結局、世に出回っている情報を元に間接的に判断するしかないのだが、その出回っている情報が嘘だとどうしようもなくなってくる。
だからこそ嘘を嘘と見破る力が重要、ということなのかもしれないが、それは我々の判断力を過信しすぎだろう。
風に吹かれるレジ袋を、おキャット様と誤認して追いかけてしまう俺たちだ。会ったこともない人間が知事に相応しいか否かなど自力で判断できるわけがない。
そういう人間でも正しく判断できるように、メディアは正しい情報を伝え、デマは厳しく取り締まる必要性があるのだが、今後ネット情報の信憑性はさらに失われていくだろうと言われている。
これは、一日中Xに貼りついてデマを流す奴が増えるという、実質世界滅亡のお報せではなく「AI」の影響である。
Xが、ユーザーが投稿した画像を自由に学習するようになったという件について、私の絵を食ったら逆に精度が落ちるから構わんだろうと言っていたが、精度に欠ける画像が出回るというのもまた大問題だと言う。
画の精度というのは単純に上手い下手だけではなく「資料としての信憑性」にも関わってくる。
私のように「背景なんてどこにいるかがわかればいい」と言って、キャラクターが謎の棒線が横たわる亜空間に漂っている漫画を描いている奴もいるが、時代物などしっかり資料を見て描かないと「江戸時代にLUUPは存在しなかった」などと読者からツッコミを受け、作品の質を問われてしまうタイプのものもある。
それらの資料をネットで探す時、時代考証など特にしていない、AI生成画像が出てきてしまうのは大きな妨げであり、AI画像生成技術が向上したことにより、だんだんそれが誤りだと気づきにくくなっているようだ。
もはやネット上の資料は当てにできず、間違いをなくそうと思ったら現地に行って本物を撮影するしかなくなりそうだが、メソポタミア時代のユーフラテス川の様子を現地撮影するのは無理である。
つまり、今後はさらに異世界転生ものなど、架空の世界を舞台にした作品が増えることが予想される。
「この世界にこれがあるのはおかしい」というツッコミを全て、「いやこの世界にはある」で一蹴できるのがファンタジーのよいところなのだ。
次回は12月24日更新です。
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