このコラムを書いている時点で、私の漫画原作ドラマの放送まで10日を切っているのだが、私の下痢は10日以上止まっていない。もしかしたらこのまま開始まで並走するつもりなのだろうか。
病院にはすでに2回行っているが、これ以上続くようであれば、精密検査もやむなしである。
しかし、本当にドラマ放送前ストレスでこうなっているだけ、という可能性もある。
ドラマが出る前から爆発している地雷かというとそんなことはなく、むしろこれで腹を壊していたら実写デビルマン公開前の永井豪先生に申し訳が立たない。
逆にここまでベストを尽くして作ってもらえることは、もうないだろうという感じなのだが、それが全国公開されるプレッシャーはまた別の話である。
先日Xを見ていたら、少し前に作品が実写化した漫画家が、体調不良により活動を休止するというお知らせが目に入った。
やはり、作品がメディア化すると、作家はその出来に関わらず病(ビョウ)になるのが普通なのではないか。
確かにメディア化後に活動を一時休止した作家が複数いるのは事実だ。しかしおそらくそれは「逆生存バイアス」による思い込みだろう。
死人に口なし、というように死んでしまった人間の声は世間に届かない。
そんな中たまたま生き残った奴の、「僕は死にましぇん」という言葉が異常に注目されてしまい、「誰かを好きなうちはトラックの前に飛び出ても死なない」という間違った認識が広がってしまうのだ。
おそらく、メディア化した後も変わらず活動している作家の方が大多数だろう。
しかしそういう作家はわざわざ「お知らせ」という神妙なタイトルで、「無事ドラマも終了したことにより、これからも何も変わらず元気に連載していきます。敬具」などと手書き文書をSNSにアップしたりはしないのだ。
それよりも「体調不良のために活動休止」というお知らせの方が目立ち、拡散されるため、「メディア化後に漫画家は体調を崩しやすい」、または「漫画家は体調を崩しやすい」というイメージになってしまうのだ。
実際の体壊し率は漫画家も会社員も大して変わらないとしても、一会社員より漫画家の発言の方が注目されやすいため、会社員より漫画家の方が体を壊しやすく見えるのだ。
これは漫画家の体調不良だけでなく、全ての情報に対して言えることである。
SNSなどの場合、目に入った時点で「注目されている人間の発言」と思った方がいいし、注目されているからと言ってそれが大多数の意見、まして正しい意見だと思い込んではいけない。
情報は親鳥ではないので、最初に目に入ったものを真実と思うのではなく、様々な意見を見て、最終的に自分で判断することが大事なのだ。
よって、今後私が「ドラマ化のストレスにより重篤な病(ビョウ)に罹った」と言い出しても、実写化は漫画家に多大な心労をかける悪だとは思わないでほしい。
確かにそれも要因の一つかもしれないが、誰でも何の理由もなく病(ビョウ)になるのと同じように、ただそのタイミングで病んだだけかもしれないのだ。
次回は7月1日更新です。
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