芸能人やアスリート以外の「素人」はSNSを使うなと発言して大炎上した芸人だが、やはりどう考えても不適切発言だったとして、後日丸刈りにしての謝罪会見が行われた。
その謝罪が功を奏して、というわけではなく、これに怒っていた人間がもう別のものに怒っているだけとは思うが、ひとまずこの炎上は下火になったような気がする。
しかしこの短期間の間に、この芸人にはシャレにならないレベルの誹謗中傷が届いたと思われ、奇しくも彼が最初に提起した「有名人への誹謗中傷問題」の深刻さが改めて浮き彫りとなった。
元々は、SNSは危険なものなので車と同じように免許制にしたらどうか、という話だったのだ。
確かに車や銃など殺傷能力があるものの扱いには免許が必要であり、病院で「こいつは乱射の可能性ある」と診断された奴は所持できないようになっている。
SNSも最悪、人の命を奪いかねない道具であり、そんな危険なものを誰でも扱えるのはいかがなものか、という意見が出てくるのはわかる。
しかしそこから、有名人にだけ免許を与え、それ以外の素人からははく奪という話になったのは、漫画でいえば8巻ぐらい読み飛ばしたレベルの飛躍であった。
そして、「素人はSNSをやるな」以上に問題だったのは、「素人が何を発信するというのか。見ているだけでいい」という旨の発言だったと思う。
確かに誹謗中傷はSNSの悪いところだが、それ以上に「誰でも発信できる」のがSNSの良いところである。
有名人しか面白いことを言ったり作ったりできないわけではない。そういう才能ある人たちが芸能人やクリエーターなどというリスキーな世界に身を投じなければ、その面白を発信できないというのは損失でしかない。
そもそも面白いこと以外発信してはいけないというわけでもない。実際Xなどは面白いどころか、不快寄りの不愉快が発信されていることも少なくないが、SNSに痰を吐くことにより現実で窒息を免れている人もいる。
SNSが人の精神を攻撃することは確かだが、SNSがなくなることで精神的に追い詰められる人もいるだろう。
また、「見てるだけにしろ」というのは意見を言うなということになってしまう。ただ、「半年ROMれ」という偉人の名言があるように、よく見ずに意見を言う人が多いのはSNSの悪いところだ。
つまり誰でも使っていいが、その危険性を理解し、慎重に使わなければいけないということだ。
ただ、そう言われて慎重に使うのはすでに慎重に使っている人であり、野放図に使っている人にはその自覚がなかったりもする。
次回は10月14日更新です。
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