2000年代初頭の「チャットルーム」を再現した、チャットアプリが話題になっている。
まずチャットルームとは何かという話だが、札付きの内弁慶どもが、ネットという日陰の中でもさらに日の当たらない閉じられた石の裏みたいな空間で、ここぞとばかりに騒ぐ場所という意味では、今のDiscordなどと大差ないと思うので割愛する。
実際そのチャットアプリを見てみると、彩度を捨てたグリーンとグレーを基調とした背景上を、イエローにビビッド赤文字を乗せた「バージョン1.01を公開!」という文言が横切っていく姿は当時を彷彿とさせる。
だが、レトロなのはデザインだけで、中身は音声やビデオ通話にも対応した最新のチャットアプリであり、懐かしさで死ぬ中年ではなく、こういうのが好きというキャラ作りなら今すぐやめた方がいい若者も、対象にしているようだ。
アプリをダウンロードしなくてもブラウザで使用できるため、話のネタに入室してみると、そこには「konitan0825さん(仮名)」という方がいらっしゃった。
当然だが、konitan0825さんと私は初対面である。辛うじて0825部分は誕生日の可能性があり、「もうすぐお誕生日ですね?」という話の切り出し方はあるが、その後が続かないだろう。
逆に向こうから話しかけられても困るので早々に退室をして、他の部屋を探してみると、「エロ仙人の小部屋(仮称)」みたいなルームがあり、4人ぐらいが在室していらっしゃった。
気になる部屋ではあったが、時刻が朝8時だったため入室は断念した。5時とかだったら入っていたかもしれない。
もしこのチャットルームが設置されている場所が、「♰言の葉の泉♰」みたいなタイトルのホームページで、「あなたは672人目の時の迷い子」みたいなカウンターが設置してある、特定キャラクターの二次創作サイトであれば、志を同じくする「同志」として最初から話すことがあるのだが、konitan0825さんやエロ仙人たちとはそれがないのである。
つまりこのアプリは新しい出会いの場ではなく、本当にDiscordやZoomのようにすでに見知った相手とオンラインチャットをするためのツールなのだろう。
じゃあ最近の若者は、ネットで出会ってネット上だけでつきあう友人は作らないのかというと、「誰でもいいから友達募集!」などと、無差別通り魔みたいな友人作りはしないが、推し活など共通の趣味を通じてネット上の友人を作ることは、普通にあるという。
つまり、ツールが変わっただけで、「顔も名前も知らないけれど、性癖だけは知っている」な関係は今も作られ続けている、ということだ。
ちなみに12時ごろに再度「エロ仙人の小部屋(仮称)」をのぞくと、まだ2人ぐらい在室になっていた。
もしかしたら、あれは当時の空気感を演出する仕込みで作られたルームだったのだろうか。だとしたら、再現度が高いと思う。
次回は9月1日更新です。
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