また「バイトテロ」が流行っているらしい。
これだけバイト先で悪ふざけをして、その様子をSNSなんかに流した日には、バイト先からは損害賠償を請求され、名前はもちろん住所や所属学校を秒で特定され、さらに顔を晒される時も「彼女とのツーショット自撮り」という人間が最も調子こいた顔をする瞬間をわざわざ使われてしまう、ということが報道されつくした後にである。
まさかこんな短期間で同じことを繰り返すはずがない、おそらく本当にバイト先を爆破するバイトテロが流行っているということなのだろう。
そう思ったなのだが、なんと流行っているのは「バイト先でバイトの設備や商品を使って悪ふざけをする」という従来と全く同じバイトテロだという。
さらに、鍵アカや24時間で投稿が消えるストーリーズを使い、仲間内で楽しむだけのつもりだった、という言い訳まで同じだと言う。
ここまでくるとバイトが同じことを繰り返しているのではなく、こっちが同じ時間を繰り返しているループもの主人公という可能性がある、だとしてももうちょっとマシな時空をループさせてほしい。
つまり、まず大前提として「バイト先でふざけてはいけない」そして「それを撮影して、あまつさえSNSなどにあげてはいけない」さらに「鍵アカや一定期間で消えるシステムなら大丈夫などということはない」ということはもはや常識レベルで周知されていると思いきや、あまりされていなかった、ということだ。
これだけニュースになっているのに何故、と思うかもしれないが、どれだけ報道され、でかい声で注意喚起をしようとも、それをしているのが無人島、もしくは「今年米寿になった人を祝う会」など、ファーストフード店でバイトしないタイプの人たちしかいない場所だったら意味がないのだ。
つまり「バイトテロ、ダメ、絶対」という啓蒙が、悪ノリをしがちな若者や、これからアルバイトをする小中高生という、最もその教えを必要とする世代がいる場で行われていない可能性がある、というこだ。
確かに私もここで、何度も「ネットで匿名などあると思うな」と言って来たが、そもそもこのコラムを読んでいるティーンなどほぼ皆無だと思うし、そもそも読んでいる人間がいるかどうかも疑問である。
つまり「もうそんなことは重々知っている中年」しかいない場所で、いくら口を酸っぱくして言っても無駄なのである。
だからと言って私が公園で遊んでいる小学生を捕まえて「今から君たちは股間に毛が生えてくると思うが、それをバイト先の飲食物にふりかけてはいけない」などと言い出したらそれ自体が事案である。
それは、子どもを大勢集めたり何かを教えたりしても不自然な場所や人にやってもらうしかない、つまり学校である。
日本は、納税を義務にしている割に学校で「確定申告の仕方」すら教えないなど、学校教育と実生活で本当に必要な知識に隔たりがあるような気がする。
因数分解が不必要とは言わないが、これだけネットやSNSが浸透した世の中なのだから、ネットリテラシー教育にはもっと時間を割いても良いのではないかと思う。
高校生や、大学生ぐらいにもなれば、そんなこと教えなくてもわかるだろうと思う気もするが、人間と言うのは基本的に教えられてないことはわからないという出来の悪い生き物なのだ。
子どもに対して「言わなくてもわかってよ」と、面倒くさい年下彼女みたいな態度をとってもわかるわけはないのだ。
次回は7月6日更新です。
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