先日テレビで「アンガーマネジメント」について特集の特集をやっていた。
「アンガーマネージメント」とは、文字通り「怒り」の感情をコントロールすることである。
まず「怒り」という感情自体は悪いものではない。
クリリンを殺された悟空が「クリリンのことかー!」とブチ切れて力を発揮した通り、怒りというのは時に強い原動力となる。
しかし、日常生活においてブチ切れた瞬間、目の前に「フリーザ」という全力で攻撃していい存在がいることは極めてまれである。
大体は「家具」など、全力で攻撃したら、こちらがダメージを負う恐れがあり、破壊すれば金銭的にも損、少なくとも「あとで片づけるのは自分」という虚しさと時間の無駄は避けられない。
また自分の物やフリーザ相手なら良いが、一般人や他人の物に大してサイヤ人ムーブをすると最悪罪に問われかねない。
また怒りに任せて物や人を当たったところで「それでスカっとする」ということは滅多にない。
大体、疲れるか、あとで自責の念に駆られるだけであり、殴ってこちらの心が無痛というのは相手がフリーザか担当編集者の時だけである。
もちろん「怒らなければいけない時」というのも存在する。
ただ、怒りに任せて苛立ちをぶつけたところで相手には何も伝わらない。
怒る時ほど「クリリンのことですか?」と事実関係を確認して冷静にいかなければならない。
このように上手くコントロールできなければ自分にとっても周りにとってもマイナスになりがちな「怒り」だが、ツイッターに代表されるSNSは怒りの感情を刺激、拡散しやすいツールといわれている。
140字しか投稿できないため、人の関心を引く刺激的な文言だけ抜き出されて投稿されている場合が多いからだ、全文を読めばそこまでのことではないとわかるのだが、その前にすでに怒りでスマホを握りつぶしている場合が多い。
怒りという感情はマイナスに作用しやすいが、SNSで拾う怒りというのは、自分に直接関係ない事が大半である。
自分に関係ないことで怒り、周りにも不機嫌をまき散らすというのは、タンクに穴が空いた暴走バキュームカーでしかない。
怒りは必要な感情だが、SNSを見て抱いた怒りは、5兆%無駄だと思って早めに手放した方が良い。
怒りを抑えるためには「自分には関係ないこと」「自分にはどうにもできないこと」と割り切ることも大事だが、逆に「自分にも原因がある」と思うことでも抑えられるそうだ。
全く自分が悪くないのに、不愉快な目にあったら、文字通り憤懣やるかたないが「全裸で路上で寝ていた自分にも原因がある」と思えば、トレーラーに轢かれてもそんなに怒りはわかないものだ。
SNSに投稿された不愉快ニュースの原因が自分にあると思うのは無理があるかもしれないが、そんな本当かどうかもわからない遠くの出来事を見て、物を破壊するぐらい怒れるという時点で、自分に精神状態の方にも異常があると思った方が良い。
「寝が足りてないのではないか」「腹は減っていないか」苛立った時は、まず自分に原因がないか疑ってみることも大事である。
この連載が「一億総SNS時代の戦略」というタイトルで書籍になります!発売は2月16日です。
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