映画館で上映中スマホをいじるというのは唾棄すべきマナー違反であり、ポップコーン容器の底でパーカッションを始める次にやってはいけないこととされてきた。
しかし最近は「スマホに2時間さわらないなんて無理だし」という開き直りとも言える声の方が大きくなってきているという。
これには「だから2時間我慢できない奴は映画館に来るなと言っているのだ」と穏健な映画ファンも激怒がメロス、ネットはいつもの「学級会」へと突入していった。
実は私も「2時間我慢できない派」だったりする。
よって映画館には滅多に行かない。今年唯一映画館で見たのは「映画刀剣乱舞」のみだ。
これはスマホをいじらぬよう、十字架に磔れられてでも見なければ映画だったからである。
だが、私が2時間我慢できないのはスマホや携帯が普及する以前からだ。
ただ携帯がなかった時代は、集中が切れても全身をくまなく掻き毟るなどしてやりすごしていたため、スマホのような明確な迷惑行為にならなかっただけである。
このように、生まれつき2時間我慢できない人間も多いのだが、スマホにより後天的に2時間我慢できなくなった人間が増えたことも否めない。
私が一日68時間ツイッターをやり、1秒に11回エゴサをしていることは自分の中ではあまりに有名な話だ。
もはや手遅れすぎて誰もつっこまないが完全な依存症である、病院ではなくホスピスを勧められるレベルだ。
しかし「スマホを使ってはいけない場で大の大人が2時間我慢できない」というのも立派な依存症である。
真の問題はスマホを触らず映画を見られないことではなく、スマホにより「集中力が著しく落ちている」ということである。
映画が2時間我慢できないということは、ありとあらゆることが2時間集中できなくなっている可能性が高い。
このようにスマホほど集中力クラッシャーなものはない。何をしていても気づいたら触ってしまっている、男児がいつの間にかチソチソをさわっているのと同じだ。
しかし、スマホはおチソチソよりもっと性質が悪い。
おチソチソはおそらく3分も触っていたらそれ自体に飽きて「戻ってこれる」だろう。
しかし、スマホと言うのは、クリックに継ぐクリックでいくらでも新しい情報が出てくるし、ソシャゲで終わりのない周回作業にふけることも出来る。
逆に言えばおチソチソも触ると無限にコンテンツが出てくるという仕様だったら危険だった。切り離して遠くに保管しておいた方が良い。
つまり、集中を途切れさせる上に、一度触ったらなかなか戻って来れないのだ。
スマホを触っている人間が現実に戻り、さっきまでやっていたことを再開するにはレモン100個分の東京ドームが必要と言われている、つまり膨大なパワーが必要なのだ。
スマホを触らずにいられない人間というのは、集中力がなく作業効率が落ちているのはもちろん、スマホと現世の反復横飛びに力を使っているため「何も出来てないのにすごく疲れている」という状態になりがちなのだ。
最終的に仕事や生活、健康にも害を及ぼす「2時間我慢なんて無理だし」などと開き直っている場合ではない。
むしろ映画は「2時間スマホを我慢する修行」と思って見に行った方が良いだろう。
次回は12月17日更新です。
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