コロナウィルスの影響で、政治に対する関心がいつになく高まっている。
少なくともツイッターを見ているとそう感じるのだが、何せツイッターと世間の間には今日も冷たい雨が降っている。
己のTLだけ見ていたら、人口の99%が映画デビルマンを見ているような気がするのだが、現実は0.2%だったりするのだ。
よって、今選挙をやったとしても、投票率27%程度という可能性は十分ある。
しかし、ツイッター上で政治の話題を良く見るようになったのは確かであり、特に今回は政治の専門家や一般人の他にも、芸能人や著名人も多く声を挙げている。
それに対し「芸能人が政治的発言をするな」「がっかりした、ファンをやめる」というような声も聞かれるようになった。
正論を申せば、誰が何を言ったって良いだろう、何の権利があって他人の言動を制限しようとするのか、ということにはなる。
確かにファンでもないのに、芸能人まして若いアイドルなどが政治の話をするなんて気に入らないという理由で文句をつけているなら、自分が「おっさんやババアがタピオカを飲むな」と注文拒否されても文句をいってはならないということだ。
しかし「がっかりした」というファンの気持ちは正直わからないでもない。
「推し」というものがない人にはわかりづらいかもしれないが、これは二次元で言うところの「解釈違い」である。
「解釈」などと小難しく言っているが、簡単に言えば「幻想」悪く言えば「妄想」である。
つまり自分がキャラに抱いている幻想と異なっているものを「解釈違い」といい、その幻想をぶっ壊したのが、他でもない「原作」の場合は「公式の解釈違い」と言われる。
ドラゴンボールで言うと「あんな良きパパになっているベジータは解釈違い、初期の方が良い」ということだ。
この原作の解釈違いがオタクに与えるダメージは甚大である。
「作者がそう描いてんだから」と一生懸命己を納得させようとはするが、やはり自分の理想が壊れるのは苦しいことであり、胸いっぱいに馬糞が詰まったような気分になる。
今回芸能人の政治的発言にがっかりした人は、おそらく同じような気分だったのではないか、と思う。
「政治的発言をするきゃりーぱみゅぱみゅは解釈違い」だったのだ。
だがきゃりーぱさん本人がそう言っている以上はそれが公式であり、つまり「公式の解釈違い」である。
「妄想と違ってがっかり」なんて、アイドルのウンコするのに怒っているやつと変わらないではないか、と思うかもしれないが、元々「好き」というシンプルな理由で応援するのが芸能人なので、好きじゃない言動を見てファンをやめる権利がファンにはある。
重要なのは「クールに去る」ことだ。
「スピードワゴンはクールに去るぜ!」という名言がジョジョにある。
実は私もこのセリフ以外全く知らないのだが、全く知らない奴にも知られているのはやはり「クールに去った」からだろう。
これが回りくどく去っていたら後世に残らなかったと思う。
「政治的発言にがっかりしたのでファンやめました」と言うのも出来れば言わない方が良いが、何せ胸に馬糞が詰まっているのだ、それをネットに吐き出すぐらいは許してもらわないとツライ。
よって独り言としてつぶやくなら良いが、本人に「ファンやめた」などとリプを送るのは止めたほうが良い。
特に悪い事をしたわけでもない、今まで楽しませてくれた人に、後ろ足で砂をかけるような真似をするのは己の評価を下げるだけである
推しSNSで自分が思ったようなつぶやきをしてくれなかったら「黙ってフォロー解除」という「クールに去る」ことを心がけたい。
次回は6月2日更新です。
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