何せやっていないので確かなことは言えないが、おそらくインスタというのは「俺の最高な生活をお前も見ていけよ」みたいな世界観なのだと思う。
少なくとも、ペヤングが三角コーナーに投身自殺した現場を無言で上げる場所ではないと思われる。
対してTwitterにあげられるのは最高なことだけではない。
むしろ、耐え難きを耐えれず、忍びがたきを忍べない、忍耐力にも話し相手にも欠ける人間が、行くあてもない愚痴をこぼすための場所でもある。
だがそんな愚痴や不幸に対し、我々のリアクションは直接お悔やみのコメントを書く、もしくは不幸が伝染するようにリツイートをする、または「いいね」しかないのである。
推しの「実家が燃えた」という重いつぶやきに対し、ただの一ネットストーカーが直接励ましのリプライをするのは気がひけるし、持ち前の自意識過剰さから「お前が火をつけたのでは」と疑われちゃうかもという妄想も止まらない。
だからといってリツイートでそれを拡散するのはのも違う気がするし、何より「いいね」はないだろう。
よって前々から「よくないね」ボタンをつけたらどうかという話があったのだが、それがついに実装されるらしい。
しかしこれはどうやら、つぶやきに対するリアクションが増える、ということではないらしい。
この「よくないね」は「大変な目にあいましたね」という意味ではなく「お前のつぶやき気にいらねえ」という意味であり、さらにつぶやいた本人には押されたことが通知されないらしい。
ならば何のためにあるかというと、その報告はTwitter社に送られ「平和なTwitter」を作るのに役立てられるという。
まず「平和なTwitter」という言葉が強い、世界平和ぐらい途方もないことを言っている。
平和なTwitterというのはキレイなジャイアンみたいなものであり、悪いわけではないがそれがジャイアンかというと、もはやジャイアントとは別の何か、なのである。
Twitterは自らの治安の悪さを憂い、どうにかクリーンにしたいようだが、それでユーザーが増えるか、というとすでにTwitterの汚さに耐えかねた者は逃げ出した後で、選りすぐりのムツゴロウしか残っていない状態だと思う。
それをクリーン化したらムツゴロウすらいなくなり、あとはどんな環境でも何とも思わないクマムシみたいな謎の生物が残るだけなのではないか。
そもそもこの機能にはつぶやく側のメリットが何もない。
ただ自分のつぶやきにジャッジをつけられ、それが知らされもしないという、人間不信助長機能でしかない。
むしろこの機能こそがますますTwitterを殺伐とさせるのではないか。
だが、こんな地獄機能を「平和のため」と信じてユーザーに背負わせるところが最高にTwitterという感じがして良い。
地獄とは鬼が作るものではない、地獄を平和と疑わない善人が作り出すものなのかもしれない。
次回は3月8日更新です。
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