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コラム 2023.01.31

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#219 Twitter Blueに課金するべきか。

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

最新話更新!

『ほがらかSNSライフ』Twitterがイーロンに買収されてからまことしやかに言われ続けてきた「Twitter有料化」だが、ついに日本でも「Twitter Blue」という有料サービスが開始された。

このTwitter Blueはリリース直後から「想像以上にクソ過ぎる」と話題になり、それを揶揄して「Twitter Red」という言葉がトレンドに挙がり、現在私のTLでは誰も話題にしていないという状態だ。
あまりにも消化が早く今更話題に出すのが恥ずかしいレベルである。

Twitter Blueがどのように不評かというと、まず「広告」についてだ。
有料版と言えば、何はなくとも「広告がない」ことだろう。私も3ツイートに1回、悪役令嬢が婚約破棄されて修道院送りにされたり、彼氏を寝取った女が鬼煽りしてくる漫画広告を見せられて大変心を痛めている。
Twitter広告は見ている人間の興味に合わせて出現するらしく、確かにそういう連中が地獄を見る展開には興味津々だが、当然それを見たければ課金の必要があり、3ツイートに1回課金していたらこちらが地獄を見ることになる。

そんな広告類が一掃されるならやぶさかではないのだが、Twitter Blueの金額は月額980円、iOSだと1,380円とかなり強気である。
さらにこの課金でなくなる広告は「半分」だそうだ。

これには、Twitterに残った最後の民族こと我々日本人も苦笑いだ。
だったら、1,380円分広告掲載漫画を買って奴らが地獄に落ちるところを拝んだ方がまだ有益である。

おそらく、Twitterは現在広告収入でなりたっているため、それを980円程度で一掃したら、広告と一緒にツイッター自体が消えるし、広告なしにしようと思ったら3,000円ぐらいになってしまい、さすがにそこまで出す人間はいないと踏んで「半分」という中途半端な設定になったのかもしれない。

だが、機能はいらなくても、Twitterの存続を願うなら応援という意味での課金も必要かもしれないとも思っていたのだが、どうもそうも言えなくなってきた。

有料機能の一つとして「Twitter Blue契約者の返信が優先的に表示される」というのがある。

この機能が実際どのようなものかまだ確認できてないが、課金ユーザーになると自分のつぶやきに返信するたびにフォロワーのTLのトップに来てしまうということだろうか。

私のTLでもたまにプロモツイートがトップに来ることがあるが、控えめに言ってうざい。
つまりTwitter Blueに入ると、自分がそのウザい存在になれるかもしれない、ということだ。

実際、ウザいせいか「Twitter Blueに入ってからフォロワーが減った」という噂もある。
「最近俺のアカウントを勝手にフォローしてくる奴が多くて困っているから減らしたい」という人には有効な機能かもしれないが、そういう人もわざわざ課金しなくても「鍵垢」という無料で使える機能がある。

私も一応Twitterを宣伝のためにやっているのでフォロワーが減ったり、ブロックされるのは困る。
年末ごろ、アマプラの呪術廻戦の広告がTwitterに流れまくり、さすがにノイローゼになった人たちがアマプラをブロックしまくるということがあった。

呪術廻戦ですら何回も出てこられたらいやになるのだ、私など3回出てきた時点でブロックどころか通報の恐れがある。

少なくとも私の周りには全くウケていないTwitter Blueだが、これはお国柄の違いで、イーロンの国では例え多少ウザがられようと、俺が俺がと前に出る奴の方が成功し、後ろに一歩下がっているような奴は崖から落ちて死ぬ、という世界観なのかもしれない。

しかし、Twitterにはすでに日本人しか残っていないかもしれないのだ。
ぜひ、前に出るとウザいと言い、奥ゆかしくしているとあざといと言う、日本人の国民性にも合った課金機能をつけてほしい。

次回は2月7日更新です。

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OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。しかし、唯一無二の居場所のSNSには炎上、マウンティング、キラキラ女子など、闇も広がっているのです。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方コラム。

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