別の仕事で「最近オシャレな若者の間で流行っている」という、その時点で私向けではないSNSを紹介された。
そのSNSは自分のアバターを作成して交流するメタバース型SNSで、アバターだけではなく部屋もカスタマイズできる点がファッションやインテリアに興味がある若人にウケているらしい。
私のような「どうぶつの森で何して良いかわからず泣いちゃう勢」には全く向かないSNSだが、オシャレな若者だけではなく、SNS疲れした若者にも受け入れられているらしい。
好きでSNSをやっておいて「疲れる」とは、自分から告っておいて「あんたっていつもそう」
とため息をついて去っていく女のようだ、とも思うが、本当に心底好きでTwitterに貼りついている私のような中年にとってのSNSと、若者にとってのSNSは全く違うのだろう。
私や一部の大人にとってSNSは顔も名前も知らないが性癖だけは知っている人とどうでもいいやり取りをする場であり、正直やらなくてもいいことである。
対して学生などの若者にとってSNSはリアル友人とつながるものであり、グループに所属する以上「やらない」という選択肢がないのかもしれない。
何事も「義務」になると疲れが発生しやすくなるものである。
またアバターを使うことにより、顔出しをしなくて良いのが楽で良いらしい。
ネットに顔を出すと村の井戸が枯れると教えこまれてきた我々世代からすると、そもそも顔を出すという発想がないのだが、若者にとってはSNSに顔を出すのは当たり前であり、それで見ず知らずの連中に品定めされたり、同級生との顔面偏差値の差に心を痛めることが常態化してしまっているのかもしれない。
またSNSをやっているのが当たり前になると、フォロワー数でヒエラルキーが決まってしまうこともあるかもしれない。
フォロワーを増やすために映える写真を撮ろうと躍起になるのも疲れるだろうし、行き過ぎてエロ写真や寿司を舐める動画を投稿して人生を狂わせる結果にもなりかねない。
だがこのメタバースSNSでは繋がれるのは「50人」までらしく、フォロワーを増やすことを考えずにすむし、むしろ内輪でつながることを目的としているため「繋がれ圧」がなく、見ず知らずの人間と絡む必要がないのが楽らしい。
しかし、クローズドなSNSというのもそれはそれで仲間外れやいじめの温床だったりするし、自分が知らないSNSグループがある、と知った時点でもう学校に行きたくないレベルの疲れが訪れるような気がする。
またアバターでも見た目に差がある以上「あいつのアバターの髪型なに?」など、陰口の対象になるおそれがある。
本当にストレスをなくしたいなら、全員ランニングパンイチのアバターに固定すべきだろう。
どちらにしても、生まれた時からネットが存在し、SNSでコミュニケーションをとることが当たり前な世代の気苦労は計り知れないものがある。
だが大人になれば、職場の人間とSNSで繋がらなければいけないことはないし、むしろ職場の人間にだけは知られたくないので、SNSの有無を聞かれたら威勢よく「ないっす!」と言うか、どうでも良いインスタやフェイスブックのアカウントを教えるようになる。
それで何か問題が起こるかというと何もないので、本当にSNS疲れした時は、学校でも「SNSやってない」と言ってしまっても良いのではないだろうか。
次回は3月21日更新です。
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