SNSはフォロワーやいいねなど、注目度を可視化させるから人々はそれを気にしてSNS疲れを起こしてしまうと言ったが、我らがTwitterはその点を強化していくつもりらしい。
どれだけ仕様を変えて振り回しても我々ユーザーが無限の体力で食らいついてくるので「どこまでやれば疲れるのか」という興味が湧いてきてしまったのかもしれない。
先日ツイートがどれだけ表示されたか示す「ビュー数」が表示されるようになったが、さらに「ブクマ数」も表示されるようになった。
元々、ツイートに対する反応は「リツイート」と「いいね」と「シカト」、そしてミュートによる「フルシカト」が存在した。
リツイートはそのツイートを自分のTLにも表示させる、所謂「拡散」機能である。
「いいね」はTLには表示されず、広めたいわけではないが「おかし」と思ったツイートに対し「あんたクールだよ」と相手に伝えつつ、そのツイートをいつでも見られる状態にするための機能でもあった。
しかし、何故かある日「いいね」までも己のタイムラインに表示されるかもしれない仕様になってしまったのだ。
どうやらTwitterには「密かに愛でる」という発想がなく、「お前が良いと思ったものは世界中の奴に教えなければならない」という思想のようである。
資本主義大国産ツールのくせに、富の平等な分配を強制するとは一体どういうことなのか。
確かに「可愛い猫ちゃん画像リツイートせず、いいねで自分だけ楽しむ」というのは独占禁止法に反している。
しかし、「いいね」は「この仰向けになったカマドウマ画像は俺の性癖にはぶっ刺さっているけど人によっては不快かもしれないからTL上には表示されないようにしよう」という「配慮」にも使われていたのだ。
こちらが「服を着る」という配慮をしようとしているのに、それが一瞬ではじけ飛ぶ機能を発動され「そんな物見せないでください」と、こちらが怒られる理不尽仕様である。
よって「俺はこのツイートを完全に一人でニヤニヤ楽しみたい」という場合は「ブックマーク」という機能を使えということになった。
それよりいいねを非表示にしてくれた方が早い気がするのだが、あくまで「お前がいいねと思ったものをいいと思わない奴らの方がくるっている」という考えのようである。自分に自信があって何よりだ。
ブックマークについては完全シークレットであり、ブクマされた側は誰がはもちろん、何人にブクマされているかも不明であった。
それが突然何人にブクマされているかが表示されるようになったのだ。
たださすがに誰にブクマされているかまでは明らかにしていない。
もしそれまで開示したとしたら、Twitterは「自分で作りだした機能を自分で殺すことに快感を覚えている」と言って良いだろう。
おそらく最近の数字の可視化は、Twitterを宣伝などマーケティングに使っている個人または企業向けなのではないかと思う。
それらにとって、どれだけ表示されてブクマされているかというのは重要なデータになる。
逆にそれ以外からすると神経をすり減らす要素が増えたとも言える。
ただ、全くリツイートもいいねもされていなかったイラストに思わぬ数のブクマがついていたなど、「身分は明かせぬが貴殿のセンスを応援している」という「性癖足長おじさん」が多数いて励まされた、もしくは震え上がったという例もあるようだ。
逆に言えば、ブクマで匿名の応援ができるようになったともいえるので、好きなツイートはどんどんブクマしておこう。
そしてTwitterさんには、「誰がブクマしたかわかるように機能変更」という暴挙を行わないよう、くれぐれもお願いする。
次回は4月18日更新です。
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