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コラム 2020.04.14

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫 最近、SNSが殺伐としていないか?

#78 外出自粛中のツイッターとの付き合い方

今だからこそ確かめておきたい、ツイッターとの距離の取り方。

ほがらかSNSライフコロナの話ばかりで申し訳ないが、実際私のツイッターのTLですらコロナの話題が半数を占めている状態なので仕方がない。

もはやNHKがCSに乗っ取られているような状況だ。

ちなみに、これを書いている時点で一番ホットな話題は「一世帯にマスク2枚」なのだが、何せツイッターの話題は移ろいやすい。

これが掲載するころには、批判を受けて3枚になっているかもしれないし、意表を突いて二世帯に1枚になっている可能性もあるし、布面積や色が変化しているかもしれない。

現金を配る配らないで殺伐としたTLに突然マスク2枚が!(お肉券)という展開に、ツイッターは当然大荒れし、大相撲から大喜利、そして診断メーカーのネタ送りにされるという様式美をたどった。

これを見て、この国の首脳は何て無能なんだと絶望したり憤慨したりした人も多いと思うが、当然政府が打ち出している対策はマスク2枚だけではない。

決して十分とは言えないが、ウィルスで生活に支障を来した人へ貸付金などの支援は始まっているし、惨状をみかねて無料サービスの提供をしている企業も多い。

またマスク2枚だって、よくよく読めばそれなりに意味がある施策だったりするのだ。

しかし、そんな有益情報や理屈よりも「マスク2枚!」だけの方がバズってしまうのが、残念ながらツイッターという世界なのである。

このようにツイッター情報というのは基本的に「切り取り」である、140字しかないので、その字数内で、できるだけ人の関心を引く刺激的な文言だけ切り取って載せることになる。

その結果多くの人が「政府はマスク2枚配る以外は何もやっていない」と思い込み、その話題についてばかり語り、有益な情報の方が埋もれたり、関心を持たれない、という悪循環が起こってしまうのだ。

つまり、ツイッター情報というのは「股間だけ写っている写真」と思った方が良い。

普通なら、股間だけは隠したりするものだが、逆にあえて股間だけ切り取って見せてくるのがツイッターである。

いきなり股間を見せられたら、全体像を確認することなく、大声を上げて騒いでしまうだろう、リアル股間を見せられた時はそれが正しい対処だが、ツイッター股間は違う。

どれだけ股間という名の見出しが刺激的なツイートを見ても、瞬時に騒ぐのではなく、記事全文や、前後など全体像を見てからはじめて、RTするなり、意見を言うなりのアクションをとるべきである。

股間!と思って瞬時に通報したが、よくよく見たらテトラポットで、汚れていたのは俺の目の方だった、というのは良くあることである。

だが、メディアの方も、ポロシャツを着ているような地味政策より「マスク2枚」という、剛と慎吾が二度見するようなでかいイチモツを載せた方がバズる、ということや、「怒り」の感情が一番煽りやすく広まりやすいということを理解しているので、これからもツイッターには股間切り取り記事が多く流れてくるだろう。

よって、それらを全文前後まで確認して、股間かテトラポットか判断できるほどの余裕がない時にツイッターを見ると、メディアの思惑通りの発狂マシーンになってしまう場合があるので注意が必要だ。

大体、股間だけ見てその人の全てがわかるだろうか、よほどの股間ソムリエでないと無理だろう。

ツイッターに流れてくるものは「全て」ではなく、最初から「一部分」と思って見るべきである。

次回は4月21日更新です。

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『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

『ほがらかSNSライフ』カレー沢薫

OL兼マンガ家から専業作家になったカレー沢薫さんが気づいたのは、「SNSにしか居場所がない」という事実。インターネットという大事な居場所を地獄にしないために、カレー沢薫さんが提案する、SNSとのほがらかな付き合い方とは?

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