先日Twitterが「サークル」という機能の実装を発表した。
しかしTwitterが「実装した」と言うのは「お前にはしていない」という意味である。実際サークル機能はユーザーによって実装されている人とされていない人に分かれており、私はされてない側である。
サークル機能だけではなく、Twitterの新機能というのは実装時期にズレがあり、私は大体今年になってマリトッツォを初めて食った人のように、1テンポ遅れて実装される。
ちなみにTwitterからこのズレについて説明はないので、Twitterに関しては「よそはよそ、うちはうち」というお母さん理論で納得するしかない。
しかし、新機能がいち早く使える、というのはメリットだけではない。
家も住んでみて初めて、コンセントの数が足りなかったり、屋根がなかったりと、建てている時には気づかない不便に気づくものである。
システムもリリースしたての頃は色々と不具合が見つかるものだ。
ソシャゲなどはサービス開始から1日以内に緊急メンテに入るのはもはや仕様であり、リリース初日の緊急メンテ明けを待つのは、うなぎ屋で長時間待つのと同じ様式美である。
ここで「遅いぞ」というやつは無粋ですらあり「運営さんお疲れ様です」と、労いを見せるぐらいの余裕は欲しいところだ。
ただ、そんな余裕を見せられるのは、大した実害を受けていないからである。
中にはセキュリティが脆弱な新システムを使ったことで個人情報を抜かれたり、不正な出金をされたという例もある。
よって、特にネットに繋がっているようなものはすぐに使用せず、先人たちによって安全性が確認されてから使うぐらいがちょうど良いのではないかと思う。
実際このサークル機能も、サークルメンバーだけにしか見られないという触れ込みだったそうだが、外部のツールを使えばサークル外でも見られるという不具合が早速発生したようである。
Twitterに全幅の信頼を置いて、サークル機能でシークレットなことを呟きまくっていたような人は、まず己のセキリュティを見直した方が良いとは思うが、この不具合が報告される前に率先して使って、ニチアサに対する連投を会社の人に見られるなど半焼事故に巻き込まれた人はいるかもしれない。
そういう意味では、新しいものはすぐに使わず、あらかた火事と消火が終わった後で、先人の焼死体を横目に「さて今週の鎌倉殿の13人について思う存分お気持ちを呟きますか」とやった方が利口とも言える。
ただ様子を見てから行動することにもデメリットはある。
まず、場合によっては致命的な出遅れをすることになるし、先に人に様子を見させる、というのは他人の判断に身を委ねるということでもある。
「この映画はクソだから見なくていい」という先人の言葉を鵜呑みにしたせいで、実写版デビルマンを見逃すなど、賢いようで実は大きな機会損失をしてしまうこともあるのだ。
先に情報を集めて失敗を防ぐことも大事だが、時には自分で体験して判断することも大事である。
ただし、自分で体験して判断すべきなのは、料理の味やエンタメなど、人によって感じ方が変わるものに限る。
先人によって「食べると死ぬので★0.5です」とレビューがつけられた毒物を「自分で試してみないとわからない」と言って試すのは、ただの二の舞いでしかない。
情報を集めること自体は誰でも容易にできるようになった。そして容易に情報が集まりすぎる故に今度は情報を取捨選択する判断力が必要になってきている。
ちなみに「デビルマンはクソだから見ろ」というのは「見ろ」という意味であり、「クソだから見るな」というのは「見ろ」という意味であり、どちらも正しい。
次回は10月4日更新です。
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