こんなもの子供に使わせられるか、ふざけているのか、ということでオーストラリアで16歳未満のSNS利用を禁止する法案が可決されたが、アメリカのフロリダ州でも14歳未満のSNSのアカウント取得を禁止する法案が出されたらしい。
欧米を中心に世界的にSNSから子供を守れという機運が高まっているということであり、対して日本は「規制が遅れている」と指摘されるような有様らしいが、日本はそれよりも早い2020年に香川県がネットとゲームを規制する条例を作っている。
ゲームを規制する条例として有名だが、何気にスマホの使用時間も規制しており、広義でSNSも規制していると言ってもよい。
しかし、この香川のゲーム条例が出た時、世間は「正気か」という反応で、うどん県として名高かった香川に、「ディストピア県」という新たな愛称が追加されるほどだった。
だが、諸外国が真顔でSNSを法律で禁じるようになった今、香川は早すぎた天才であり、それをバカにしていた我々の方が、現代人を笑う北京原人だったのかもしれない。
しかし香川の条例が批判されたのは、お上がゲームやネットの使用に口を出すという内容だけの問題ではないとも言われている。
香川の条例は、対象になる未成年からはもちろん、その保護者からの反発も大きかったようだ。
親としては、子供にネットやゲームを長時間やってほしくないものなのではないか。
我が子をSwitchとYouTubeでヅケてやる邪魔をするなと親が蜂起したというなら、やはり香川はディストピア県と言っていいが、そうではない。
この条例は正確には未成年ではなく保護者に対し、「子供がゲームやネットを所定の時間以上やりすぎないようにする努力をしろ」と課す条例なのだ。
つまり、光の速さで撤廃された埼玉の留守番禁止条例と同じく、県側が子供がゲームしすぎないように対策を取るわけではなく、ただ保護者側の負担を増やすだけの内容だったので、保護者側からも批判されたのだ。
この条例は結局施行されたのだが、それは違反したからといって罰則がないからであり、もし何らかの罰則が保護者に科せられるようであれば、もっと反発が大きくなり施行できなかったかもしれない。
逆に言えば、罰則がなく、各家庭のゲーム時間を調査するドローンが上空を埋め尽くしているわけでもないとしたら、あってもなくても意味がない条例とも言える。
それに対してオーストラリアは、子供やその保護者ではなく、SNSを提供する側に規制と罰則を設けているので、その点が根本的に違う。
ちなみに香川のゲーム条例に対しては、「憲法違反である」という訴えも起こっていたが、憲法違反ではないという判決が出たそうだ。
何の憲法違反かというと、「幸福を追求する権利」の侵害にあたるという主張だったそうだ。
ゲームやスマホを使うことが幸福だとすれば、それを制限するのはおかしいということだが、とりあえず今回それは認められなかったようだ。
そもそも、そんな権利が存在することも知らなかった。
つまりお母さんを相手に毎朝、「睡眠という幸福の追求を邪魔するのは憲法違反である」として訴訟を起こしてもよかったということだ。
親としては子供がゲームやSNS漬けになるのも心配だが、毎朝こういう屁理屈を言ってくるのも相当だるいだろう。
子供を育てるのは大変なのだ。あまり親に負担をかけるような法ばかり作らない方がいい。
次回は2月18日更新です。
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